【コロナ禍】乃木坂46・白石麻衣さん卒業公演の無期延期が1000万人を救うカラクリ

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“破壊力”や“浸透力”

 そんな白石麻衣さんの卒業公演の延期が発表されたのが4月28日のことでした。緊急事態宣言下で、延べ15万人を動員するイベントなど開催できるわけがありません。乃木坂46のコンサートに限ったことではありませんが、ある意味で、新型コロナウイルスは日常のみならず非日常の楽しみも奪ったと言えるのかもしれません。

 ただ、「皆さんには直接、今までの感謝の気持ちを伝えたいなと思っております。卒業ライブはみなさんが安全に楽しんでいただける状況ができたら、改めて行いたいと思っているので、会場と時期が決まりましたらお伝えしたいと思います」という白石さん自身のこの言葉に「中止ではなく延期ということは、まいやん(白石さんの愛称)を送り出すことができるんだ」と、胸を躍らせた方も多いと思います。

 さらに白石さんは、「毎日大変かと思いますが、ここを一緒に乗り越えて頑張りましょうね!」と続けました。そこで一考です。このコンサートに参加する約15万人の方、コンサートチケットを求めて応募する方々(15万人の50倍、いや60倍とすると900万人)、パブリックビューイングにて各映画館でご覧になる方々(30館×500人=1.5万人が限界ですが、それも抽選なので50倍はあり得ます。したがって、75万人)、これらを合わせると1000万人に手が届きそうです。

 彼らは来るべきその日に備え、国の言いつけをしっかりと守り、健康に留意した日常を送ることは間違いないでしょう。

 安倍首相や各都道府県知事の言葉ももちろんしっかりと受け止めたいところですが、その影響力は強くないのが現実です。小池都知事がヒカキンさんとコラボしたのも、安倍首相が星野源さんに勝手にあやかろうとし(てスベっ)たのも、自身の限界とコラボ相手の“破壊力”や“浸透力”を十分に知っていたからでしょう。

 白石さんの言葉を聞くにつけ、この時期、影響力のある方が自粛要請に伴った言葉を投げかけることが、収束への近道だと思えてならないような気がしました。

徳光正行
1971年12月生まれ。茅ヶ崎市出身。司会、タレント業。主な著書に『伝説になった男~三沢光晴という人~』『怪談手帖シリーズ』など。4月27日には岩井志麻子氏との共著『凶鳴怪談』が出版された。

週刊新潮WEB取材班

2020年5月7日掲載

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