「グッとラック!」が岡江久美子さん追悼報道で失敗したと言われる理由

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石橋を叩きすぎたTBS

 8時22分には、「グッとラック!」で立川志らく(56)と共にMCを務める国山ハセン(29)が、新人時代に「はなまる」にグルメリポートを行った時のVTRも放送した。

 小籠包を食べたのだが、皮を破ってスープが流れ出てしまい、店のスタッフから失笑を買うというものだった。

「8時26分には『はなまる』の最終回、大団円を流し、それからは“はなまる後”の岡江さんを紹介しました。28分には『孫ができたので長生きしたい』と記者団に語る姿を放送。そして立川さんと国山さんがスタジオに並びました。『エール』の終わった30分に立川さんが『いて当たり前の人が突然いなくなるこのショック』、『コロナはなんべんもウイルスとの戦争だと言われていますが、敵は一番大事なものを狙ってくる』と故人の死を悼みました」(同・記者)

 この30分間を前出の関係者――テレビ業界で豊富な経験を持つプロ――は、「綺麗に、無難にまとめすぎたと思います」と分析する。

「前日にマスコミ全社が詳報を行っているので、視聴者は死因とか、大和田さん父娘のFAXの内容などは既に知っています。視聴者がTBSでこそ見たいと思っていたのは、『はなまる』と『天までとどけ』の名場面でしょう。冒頭から『はなまる』の秘蔵VTRを流したのは事実ですが、全く足りなかったと思います。もっとふんだんに放送すべきでした」

 つまり、「グッとラック!」にチャンネルを合わせた視聴者が、「はなまる」や「天までとどけ」の再放送を行っていると感じるほど徹底すべきだったというのだ。

「視聴者のニーズは何か、特にTBSの情報番組に何を求めているかを考え抜き、視聴者の期待に思い切って応える姿勢がほしかった。そうすればお宝映像を編集し、ナレーションをかぶせるような演出はできなかったはずなのです」(同)

 この関係者は、「TBSの報道・情報番組は、番組終了時に禍根を残すことが多い」ことを思い出したという。

「岡江さんと薬丸さんは番組終了時、TBSさんの態度が冷たく、かなりのゴタゴタがあったと言われています。『ビビット』(2015~2019)の国分太一さん(45)と真矢ミキさん(56)や、『朝ズバッ!』(2005~2013)のみのもんたさん(75)も似たようなことがあったそうです」

 TBSが番組ごとにスタッフを入れ替える人事システムが一因として挙げられるという。そして、その人事が「グッとラック!」の放送内容にも影響を与えたようだ。

「例えば日本テレビは、朝の情報番組が終了しても、そのスタッフは次の新番組に移行することが珍しくありません。午前8時から『スッキリ』を放送していますが、ベテランのスタッフは『ルックルックこんにちは』(1979~2001)を知っている者も多いのです。もしもTBSの『グッとラック!』が同じ人事方針を採用していたら、『はなまる』を知り抜いたスタッフが岡江さんの訃報を担当したはずです。結局、『グッとラック!』のスタッフは、岡江さんや『はなまる』への思い入れが少なかったということかもしれません。」(同)

 こんな話もある。

「薬丸さんは、小倉智昭さん(72)も名を連ねる芸能事務所『オールラウンド』に所属しています。そして『はなまる』が終了してからは、テレビ東京の『なないろ日和!』でMCを務めています。午前9時26分の放送開始ですから、TBSの『グッとラック!』と重なる時間帯があるわけです。業界では掟破りですよ。薬丸さんもTBSと距離を置いているということでしょう」(同)

週刊新潮WEB取材班

2020年5月7日掲載

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