ラグビー界のレジェンド語る「嘘つき松尾」引退試合 【発掘! 昭和のスポーツ秘話】
1985年(昭和60年)1月15日、国立競技場には6万人を超すラグビーファンが詰めかけた。松尾雄治率いる新日鉄釜石の7連覇がかかった日本選手権。相手は次世代スターの平尾誠二を擁する同志社大学だった。
「あれは“嘘つき松尾”の引退試合、ラグビーと決別する試合だったんです」
ラグビー界のレジェンド、松尾雄治氏(66)は、そう振り返る。
1月6日の社会人大会決勝で、松尾は左足首をひどく痛めていた。試合後に東京厚生年金病院でステロイドを注射したが、ブドウ球菌に感染して足首がさらに腫れた。...