コロナ禍でもメジャーは無観客で開幕? プロ野球は真似できないワケ

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 コロナもものかは、台湾では無観客ながらプロ野球が開幕した。

 翻って日本のプロ野球(NPB)、北米のメジャーリーグ(MLB)は、未だに開幕の目途が立っていない。

「そんななかでも、MLBではアクロバティックな方法で開幕してしまおうという案が出ています」

 と大手紙MLB担当記者が語る。

「全30球団をアリゾナ州に集めて無観客で試合をするというのです」

 なるほど、アリゾナはニューヨークのような惨状には至っていない。例年春先に15球団がキャンプを張る当地は、球場はじめ施設が既に揃っている。また、選手の移動を州内に限れば、感染拡大も最小限に抑えられるだろう。

「残り15球団がキャンプを張るフロリダも使って、2リーグにする案もあります。そもそもオープン戦がその形式で行われていて、アリゾナは“カクタス(サボテン)リーグ”、フロリダは“グレープフルーツリーグ”と呼ばれています」

 実現するかはともかく、さまざまなアイデアが出るのは良いことだ。ところが、我らがNPBからそんなアイデアは聞こえてこない。NPBだって、キャンプ地である宮崎と沖縄で開幕すればいいのでは?

「いや、そうもいかないんです。MLBとNPBでは収益構造が全く違うので」

 どういうことか。

「MLBは放映権料が収益の柱となっていて、テレビ中継さえすれば無観客試合でも儲かります。ところが、NPBは違う。巨人戦のテレビ中継で潤ったのは昔の話。現在主流になっているCS放送の実入りは小遣い程度です。ただ、その代わりに、“モノ消費からコト消費”という時流もあって、観客動員数は右肩上がり。そのため入場料やグッズの収入が大きな収益源になっているんです。つまり無観客試合ではペイしない。仮に観客を入れるにしても、宮崎沖縄では連日満席というわけにはいきませんし」

“マンゴーリーグ”と“シークワーサーリーグ”、観たいけどなあ。

週刊新潮 2020年4月30日号掲載

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