「ゴーン&キャロル」を探し法務省がレバノンへ 身柄求め交渉

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“無理だ”

「現地では、義家副大臣とレバノン政府の司法大臣が1時間、そこにアウン大統領が加わり30分、計90分ほどの会談を行いました」

 と明かすのは、交渉の経緯を知る法務省関係者。

「身柄を求める日本側に対しレバノン政府は頑なで、自国民を引き渡す法律がないことを盾に、“無理だ”の一点張りでした。その一方、国内はデフォルト、ドル建ての国債を返すことができない状況にある。そんなレバノンへ、日本政府はODAを含め1千億円規模の経済支援をしており、今回の補正予算でも追加している。そのことを材料に交渉を続けると、向こうの態度も徐々に軟化。最後は“交渉を継続していく”というところで落ち着きました」

 現地では、ゴーン被告とて完全に“自由の身”ではないとして、こう続ける。

「ベイルートにあるゴーン被告の豪邸は日産が購入したため、日本から返還訴訟を起こされています。レバノン国内の政情不安でしばらく停止していましたが、先ごろ再開されました」

 訪問が効いたからか、辛うじて“ヤンキー先生”の面子は保たれたが、勝負はこれから。

週刊新潮 2020年4月30日号掲載

ワイド特集「コロナに埋れた『あの問題』」より

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