動脈硬化、コロナ太り、そして感染症に「このワインが効く」フランスのリスト

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そして注目の感染症には

【気管支炎】ブルゴーニュかボルドーに砂糖とシナモンを加えたものをカップ3杯
 白でも赤でもロゼでもいいのか? シナモンにはそれなりの効能はあるようですから、 あながち間違ってない?

【結核】辛口のシャンパーニュを4杯……って何杯飲んでも治るわけがない!

【下痢】ボジョレー・ヌーヴォーをグラスで4杯
「タンニンが強い赤ワインが効く」と言っていたヒポクラテスと全く違うぞ。

【発熱】シャンパーニュ。なんとボトル1本!
 個人的には嬉しいけど、高熱の場合に1本は厳しいかも。

【痛風】サンセールまたはプイィ・フュメをグラスで4杯
 ロワール河を挟んで東西に向かい合う産地。ともに葡萄はソーヴィニョン・ブラン。石灰質土壌由来のミネラル感が痛風に効果あり?

【リュウマチ】シャンパーニュ4杯
 それで治ればノーベル医学生理学賞間違いなし!

【高血圧】アルザスワインかサンセールを4杯
 メジャーなところだけでもリースリングにミュスカ、ピノ・グリ、ゲヴュルツトラミネール、シルヴァネール、ピノ・ブラン、ピノ・ノワール。アルザスは土壌構成だけじゃなく品種も多様なんだけど、どれでもいいんですか?

【肝機能低下】辛口のシャンパーニュを4杯
 ますます悪化すると思いますが、内臓に染み渡るようなキリっと辛口なシャンパーニュだと効いた気にはなれそうです。

 そして自粛時代の最大の悩み。コロナ太りには?

【肥満】ブルゴーニュを4杯
 ザックリ過ぎる。白も赤もロゼもあるんですが……。なんでもいいの? 世のブルゴーニュ好きには好都合か。

【さらに重度の肥満】プロヴァンスのロゼをボトルで1本!
 全く医学的根拠はなさそうですが、青い海と眩しく輝く太陽。プロヴァンスのビーチに寝そべる自分の姿を想像したら、気合が入ってダイエットできるってことでしょうか?

 別の資料に当たると、感染症にはゲヴュルツトラミネールとあります。フランスの北東部。ドイツと接するアルザス地方を代表する葡萄品種で、アロマティックな香りとヴォリュームのある腰が強くスパイシーな果実味のワインが出来上がります。

 ダメ元はもちろん承知のうえで、コロナ予防に飲んでみますかね。

 参考にしたリストのうちの1つに、「ブルゴーニュに古くからあるワイン生産者が作ったものだ」と記されていたので、メールで根拠のほどを確認したのですが返信はありませんでした。そこは10年ほど前、投資家に買収され、ワイナリーの名前は変わらないけれど一族はすでにワイナリーを去ってしまったということもあるかもしれませんが……。

幅紀長(はば・としなが)
東京・銀座のワインバー・オーナー。「自分の人生は世界中のワインを理解できるほど長くはない」という真実に気付き、フランスワインに溺れた生活が長らく続いておりますが、フランスワイン好きにもそうでない方にも、そもそもワインはそれほどでも……という方にも、少しでも楽しみや興味を持っていただけたら幸いです。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年5月1日掲載

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