矢部太郎さん「オンライン大喜利で平愛梨さんに負けました」――「あの人の#おうち時間」(1)
新型コロナによる「おこもり」は不自由だけれども、自由な時間は山ほどある!ということで、人生に突如として現れた「おうち時間」の過ごし方を紹介してもらうこの企画。第1回は芸人で漫画家の矢部太郎さん。さて、いかがお過ごしですか?
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僕はもともとそんなに外に出ない生活なので、自粛生活になっても実はそんなに変わらないんです。でも自分の意志で外出しないのと、出ちゃいけないと言われるのではだいぶ違いますよね。
今の状況は「進ぬ!電波少年」というテレビ番組の企画で外国語を覚えるために半年ほどアパートの小さな部屋に監禁された時に似ていて、最近その時の気持ちをよく思い出します。
比べるのも不謹慎な感じがしてなんとも言いづらいんですが、あの時、半年くらいずっと部屋にこもってたった一人で外国語を覚えたことは、自分にとってすごく大きな自信にもなっているんです。そう考えると、この「家から出ない時間」は普段できないような大きなことができるチャンスなんじゃないかとも思っています。
先輩や仲間の芸人たちとも会えなくなってしまったので、天野会(キャイ~ンの天野ひろゆきを中心とした仲間うちの集まり)では、LINEで天野さんが出すお題にみんなで大喜利したりして楽しんでます。「ウドさんが飛行機の座席で寝てる写真で一言!」というようなお題だったのですが、芸人をぶっちぎって、平愛梨ちゃんが優勝しました……。
愛梨ちゃんはトルコに住んでいるので普段でも食事会には参加できないわけで、会えないなら会えないで、友人との楽しみ方はいろいろあるなぁと思います。
仕事もすべて「家でできることだけ」になりました。テレビのお仕事も、打ち合わせはもちろんですが、出演もすべてリモートですし、描く仕事は一人でやることなので大きな変化はありませんが、編集の人とのやりとりはすべてメールになっちゃってます。いま父との思い出をテーマにした「ぼくのお父さん」という連載を始めたばかりなので、本当は対面で顔を見ながら打ち合わせしたいんですけどね。
外に出ないぶん描く作業は逆にはかどる気もするんですが、お話を考えたりするときは気分を変えて喫茶店に行ったりしてたので、それができないのは少しつらいです。楽屋で誰かに読んでもらって、その感想を作品に反映することもできませんし。
なので気分転換に椅子を買って、ベランダに置いてiPadを持っていって原稿を描いたり、本を読んだりしています。前に住んでいた部屋と違って庭がないので、ベランダが唯一、外を感じられる空間なんですよね。
最初はインスタグラムに『大家さんと僕』に絡めて「手洗いが重要!」とか「大切な人のために家にいます」というテーマの1ページマンガを描いてたんです。でも外に出られない期間が長期化しそうだったので、家にいながら続けられる楽しいことをしたいと思って「大家さんと僕が世界のいろんなところに旅行に行った記念写真」のようなカラーイラストを描くようになりました。いまは海外旅行もままならないですけど、できないことも想像力とか創作の世界ではできるっていうのがいいな、と思って。
大家さんと僕はここ何週間かでハリウッドやパリの凱旋門、南極にも行きました(笑)。そのイラストに、読者の皆さんが自分の写真や絵を組み合わせて、それぞれの「仮想旅行」をつくってくださっていて、それを見るのも楽しみになっています。
最後に皆さんにお薦めしたいのは、マンガなら和田ラジヲさんの新刊『容赦ない和田ラジヲ』。不条理ギャグマンガですが、現実を離れて笑うことができます。
ビル・マーレー主演の「恋はデジャ・ブ」という映画もいい。新型コロナウイルスが流行る前に同期の芸人のマンボウやしろくんに薦められていたんですが、時間がなくてなかなか観られなかったんです。家にいる時間が多くなってから観てみたら、すごく面白くて。「主人公が同じ一日を繰り返す」といういわゆるタイムリープものですが、雪に閉ざされて同じ街から出られない主人公が昨日体験したことや、知った情報を使って、好きな女性に好みを合わせて恋愛をうまくいくようにがんばるラブコメです。
何度も同じ一日を繰り返して、輪廻の果てに解脱するみたいなイメージで、いま観ると日常に戻れたら次にはこうやってみようとか、一日一日をどう生きるか考えさせられるところがありました。
期待せず軽い気持ちで観たら、最高の映画だったので、ぜひ観ていただきたいです!