コロナがなければ「夫婦」逮捕許諾も 「河井案里」携帯押収で判明した「3人の男」
携帯電話は、持ち主のキャラクターを存分に物語ってくれる極めて雄弁な証拠物である。コロナ禍でも世間を騒がせ続ける夫婦の捜査でもそれを地で行くことが起こっていた、想像以上に……。
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広島出身の芸能人?
自民党の河井案里議員が初当選した昨年7月の参院選挙で、案里陣営から選挙カーに乗るウグイス嬢に対し、違法な金額のギャラが支払われていたことが判明。10月には初入閣していた夫の克行法相が辞任し、夫婦は雲隠れを決め込んできた。
その間、捜査を続けていた広島地検は3月3日、夫妻の公設秘書らを公選法違反容疑で逮捕し、東京にも捜査の手が伸びていた。東京・千代田区のホテルニューオータニ。3月3日の深夜、投宿する河井夫妻を地検の捜査員が“急襲”する。
捜査関係者によると、
「地検の狙いは夫妻の携帯電話でした。その差し押さえ令状を示されても2人は抵抗。なかなか携帯を提出しない案里氏は、女性の捜査官から、“着ているものを確かめさせてもらいます”ということで『スッポンポン』になったということのようです」
それほど抵抗したということは、裏返すと、
「絶対に見られたくないものが携帯の中にあると考えるのが自然ですね。もちろん、地検は差し押さえた携帯から、克行氏が妻の選挙を実質的に取り仕切っていたことなど裏付けを進めることができたわけですが、“携帯押収の最大の収穫は案里氏と親密なやりとりをする男存在が出てきたこと”と半ば冗談交じりに言われていますね」
地元政界関係者に聞くと、
「男は3人とか5人とか諸説あって、本当に実在するらしいんですが(笑)、仲良く頻繁にメッセージなどを交換していた履歴があることを除き、その中身は聞こえてきていません。広島出身の芸能人だったり野球選手だったり、当初はあれこれ取りざたされたこともあったようですが、どうやら“有名人ではない”ということでした」
広島地検はもちろんマジメな捜査も継続しており、陣営の資金が買収に使われた疑いがあるとして、捜査を進めてきた。県議、市議、後援会幹部のうち、10人程度が「克行前法相から現金を渡された」と広島地検に説明。額は最高で30万円で、中には案里議員からも現金を受け取ったと証言した者もいるという。
党から河井陣営に破格の1億5000万円もの選挙資金が投下された金満選挙だけに、現場でも札束が飛び交っていたことになる。
「この捜査は、検察トップの稲田伸夫検事総長肝煎りで行われています。コロナ禍の前から、国会開会中の逮捕許諾請求を経て、克行氏を逮捕するつもりだという話も伝わり、永田町界隈はザワついていたんです」
と、永田町関係者。
逮捕許諾請求となれば、業際研事件に絡み、詐欺などの容疑で東京地検特捜部に逮捕された坂井隆憲代議士以来、17年ぶりとなる。
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