「コロナ鬱」克服術 心が蝕まれ“DV”“アルコール依存”…

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テレビだけを見るな

「たとえ話ですが、がんの人が最期を家で迎える在宅看取りで鬱になる家族はいませんが、認知症や寝たきりの人を家で世話する在宅介護では、鬱になる人が大勢います。前者は終わりが見えるのに対し、後者は終わりがいつかわからないのが最大の違いで、新型コロナウイルスの状況も、終わりの見えない不安感があるところが、在宅介護と重なります。それがコロナ鬱につながりやすいのです」

 そう話す先の和田氏が、コロナ鬱になるメカニズムを説明してくれる。

「陽に当たらないと、セロトニンという神経伝達物質が減り、余計に鬱になりやすい。家にこもって体を動かさないのも同様で、食事の量が減って、セロトニンの原料となるたんぱく質の摂取量も減る。ステイホームは鬱になりやすい状況を作り出します」

 自粛は必ずしも小池都知事が言うように、自分や家族を守ることにならないということか。それについて和田氏は辛辣で、

「専門家会議が感染症学者ばかりだからいけない。専門バカ会議になっています。栄養学者や免疫学者、精神科医も加え、総合的に判断する必要があります」

 ともあれ和田氏に、コロナ鬱にならない方法を示してもらおう。

「一つは、肉を食べること。気分が晴れるし、肉に含まれる必須アミノ酸のトリプトファンがセロトニンの原料になるし、コレステロール値が高いほど鬱になりにくいというデータもあります。二つ目は、1日15分は、陽の下で散歩など軽い運動をすること。セロトニンのほか、メラトニンというホルモンも増え、睡眠の質が上がります。三つ目は、情報の幅を広げること。テレビでは感染症学者が不安を煽っているので、テレビだけを見ていると鬱になる。四つ目は、思考パターンを変えること。将来こうなるとか、これだけが正しいと思い込む人は、鬱になりやすいのです」

 大切な命を守るためには、閉じこもっているだけではダメなのである。

週刊新潮 2020年4月23日号掲載

特集「『コロナ』の決死圏」より

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