「半沢直樹」また延期 コロナに“倍返し”された3密ロケ現場

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“マスクが壊れた”

 だから、このドラマに賭けるTBSサイドの力の入れ方は並大抵ではない。

 ロケ現場ではコロナなんて物ともしない、こんな光景が見られていたという。

「私が参加したのは、3月19日のことですが……」

 とは、エキストラで出演した40代の男性である。

「参加に当たっては、マスクの着用と、事前の体温測定を求められたのできちんと測っていったのですが、朝、品川の現場に着いても確認されることなく、撮影に入ったんです。“あれっ”と思いましたよ。その日は及川光博さん扮する半沢の同期の銀行員が喫茶店で話をするシーンの撮影で、スタッフはみなマスクを着用していましたが、中にただ一人、ずっとマスクを付けていなかった人がいました。監督の福澤さんです! で、大声で指示を出していたものだから、唾がかからないかどうか不安でたまりませんでした」

 付言すれば、この3月19日は、その夜、政府の専門家会議によって「オーバーシュートが起こることが懸念される」と警告が発せられたように、警戒感は日に日に強まっていた。むろん小中高校も休校のまま。監督、つい力が入って、ウイルスの存在を失念してしまったのか。

 撮影終了後も、

「“記念写真を撮りましょう”と言われて、エキストラが40~50人“密集”させられた。で、監督が“『ハイ、チーズ!』の代わりに、『倍返しだ!』でいきましょう”と音頭を取って、ガッツポーズをさせられました。2~3回は撮ったかな。写真はHPに番宣のために載せられました。その後、熱が出ることもなかったから良かったですが、ちょっと怖かったですね」(同)

 コロナからの「倍返し」が気になる。

 制作スタッフによると、

「福澤さんはガタイがデカく、身長が190センチもある。顔もデカくて窮屈なんでしょう。“マスクが壊れちゃった”と言って、現場で付けないこともありました」

 当のTBSは、

「感染の防止に配慮して行っておりました」

 と言うのみ。

「TBSにとって、『半沢直樹』は満を持して送り出した、今年の目玉。視聴率争いで復活のカギとなるドラマでした。開始時期によっては夏クールの冒頭まで食い込ませて放送するか。あるいは、回数を減らして放映するか……」(メディア文化評論家の碓井広義氏)

 延期のショックも倍返し。

週刊新潮 2020年4月23日号掲載

ワイド特集「待てば海路の日和はあるか」より

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