クルーズ船「コロナ患者」ら112人治療で院内感染ゼロ 自衛隊中央病院「1等海佐」が語る内幕

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「最も注意した点は院内感染」

 クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」で新型コロナウイルスの集団感染が発生した際、自衛隊中央病院が100名以上の患者を受け入れたことをご存知だろうか。ジャーナリストの石高健次氏が、リーダーとして対応した1等海佐に独自取材、その内幕を初めてレポートする。

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 自衛隊中央病院は東京都世田谷区にある。防衛大臣直轄で、最高レベルの第一種感染症指定医療機関だ。

 石高氏の取材に応じたのは、感染症対応チームのリーダーを務めた田村格・1等海佐。田村1等海佐は「医官」と呼ばれる医師であり、取材はメールによる一問一答で行われた。

 中央病院は、クルーズ船乗船者と武漢からチャーター機による帰国者の感染者、計112人を治療し、4月上旬までに多くの患者を退院させた。田村1等海佐は「最も注意した点は院内感染。これが起きた時には、診療継続そのものが不可能になることから、まず、何よりもそれを出さないことを優先しました」と振り返る。

 一例を挙げれば、CT検査だ。中央病院には感染者専用のCTは用意されておらず、一般患者と同じものを使う必要があった。

「時間をずらしたり、患者たちが接近せず距離を保てるように務めました。機器使用後は換気や消毒液による拭き掃除も徹底しました。また、医師や看護師のみならず、撮影に当たる放射線技師も防護装備が必要で、患者が入れ替わる度に着替えるなど手間をかけ気を使ったのです」

 自衛隊中央病院と「沈黙の肺炎」との闘いは、我々の想像を絶する激戦だった。石高氏渾身のレポートは、4月23日発売の週刊新潮に掲載される。

週刊新潮 2020年4月30日号掲載

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