NY在住作家が綴る「自宅待機5週間」で私に起こった不調について

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「もう黙れ!」「恥知らず!」

トランプ大統領:「5月にも経済再開を目指すことにする」

クオモ知事:「その発言は間違っている。長期間の停止はできないが、拙速に経済再開すれば感染が再拡大して最悪の事態になりかねないから、他の国・地域の状況を注視していく必要がある」

トランプ大統領:「経済再開の決定権は私にある」

クオモ知事:「コロナとの戦いは『非政治圏』だ。政治的争いをする時間はない。課題が山積している。私は引き続き大統領と協調していくつもりである」

 とは言いつつも、15日、クオモ知事は東海岸7州と電話会議を開いて感染防止対策で協力し、経済再開には慎重であるべきだとして、スクラムを組んだ。

トランプ大統領:「各州の州知事はファウチ博士に従い、経済再開を5月1日に設定して誘導すべきだ。再開のためにテストを増やせ!」

 アンソニー・ファウチ(Anthony FAUCI)博士は国立アレルギー感染症研究所の所長で、新型コロナウイルス対策本部の主要メンバーである。ほら、トランプ大統領の記者会見にいつも同席している、声のかすれた小柄なおじいちゃんのことだ。

 16日、トランプ大統領は、国民全員に配布する予定の1200ドルの小切手に、なんと自分の名前を印刷するよう命令した!

 17日、トランプ大統領は「Country Reopen」(国家再開)のガイドラインを発表。まず、検査件数を大幅に増やして感染者数を見極める。次に一部商店や企業の活動を再開する。最後に本格的な経済活動を全開するという「三段階方式」を示した。

クオモ知事:「経済再開には、完全な検査の統計とスクリーニングが不可欠だ。だが、検査のキャパなど、ないじゃないか!」

 18日、NY州では死者数が6日連続で横ばいになり、下降傾向を示したことを朗報として発表したクオモ知事は、検査について説明した。

「私の娘が『Testing(検査)って、なあに? どうして増やせないの?』と、聞いてきました。PCR検査のことです。PCR検査キッドはNY州認可のメーカーだけで30社あります。それを使って検体を採取し、州内の300のラボに送って検査します。結果が出たら、同じメーカーへ送り返して確認検査をして、ようやく確定します。『二重検査方式』を採用しているのです。各社の検査分析の方式は異なるため、他社では確認検査ができません。そのため検査件数には限界があるのです」

 毎日24時間、フル稼働でPCR検査を実施しても追いつかない理由は、そうした厳密な検査態勢にあるのだ。

 かつて最悪の時期に、クオモ知事が連邦政府に人工呼吸器の支援を要請したことがある。トランプ大統領はツイッターに、「NY州が、ばかげた数の人口呼吸器を要請してきた」と書き込み、記者会見では「NY州が自分で調達すべきだ。ワシントンにあるものは、われわれのものだ」とコメント。

「われわれとは、誰を指すのですか?」と記者に問われて、「アメリカ国家のことだ」と、しどろもどろになり、「もう黙れ!」「恥知らず!」と、記者を罵った。

 フィラデルフィア州では、FDA(米国食品医薬品局)の認可を受けていない中国製の抗体検査薬約70種類が違法に持ち込まれ、信頼できない検査結果を示す「Junk」(ゴミ)だとして、注意が呼びかけられた。

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