NY在住作家が綴る「自宅待機5週間」で私に起こった不調について
暴動すら起きかねない
自宅待機が5週間を過ぎた今、心身に不調を感じる。重い鉛を抱え込んだような息苦しさがある。大声で叫びだしたい衝動が、ときおり潮のように押し寄せてくるのを堪え、大きく深呼吸してやり過ごす日々だ。
わが家に20年来、ときどき掃除に来てくれるヒスパニック系のおばさんが、先日電話をかけてきた。「微熱が出たので、明日は行けません」。彼女が前回来たのは2週間前だった。その日の晩と翌朝、私も熱を測ってみた。幸い平熱だったが、いくら身内同然の親しい人だと思っていても、「他人を家に入れるな!」という行政命令を無視したことを、ひどく悔いた。...