楽天市場から強制退店させられた「楽天ユニオン」委員長 本人は「今後も委員長は続けます」

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楽天も歯切れがわるく…

 川上弁護士の言うとおり、楽天が「威嚇」を狙ったのかどうかは定かではない。しかし、楽天側も胸を張って行った対応とは言えないようだ。

 というのも、勝又氏の強制退店について楽天本社広報に確認すると、返ってきたのは、

「ご質問いただきました楽天ユニオンの代表者である勝又氏の強制退店について、 勝又氏は楽天市場に出店しているとのことですが、同氏の氏名等で登録されている店舗はなく、 勝又氏が出店している店舗について把握しておりません。 したがいまして、楽天では、楽天が、勝又氏の店舗との出店契約を解除したかどうかについて、 回答を持ち合わせておりません」

 となんとも奇妙な答え。ようは“勝又氏の店”は最初から楽天にないというわけだ。これは解説が必要だろう。

 週刊新潮は3月12日号で、送料設定などの違反で、過去に勝又氏が楽天を退店させられた事実を報じている。(デイリー新潮配信記事「『楽天』送料無料化騒動で時の人 楽天ユニオン代表に“違反で強制退店”の過去」)。そのため勝又氏は、親戚名義で店舗を運営していた。楽天側が「把握していない」と答えるのは、当然なのである。

「店の代表は、私の親戚であるTの名義になっています。が、実質私が運営することを楽天はもちろん承知しているはず」(勝又氏)

 そこで、改めて“勝又氏の親戚であるT氏の店”が強制退店になったかを広報に問うと、

「お問い合わせの件でございますが、 個別の店舗様の状況につきまして、楽天からは回答を控えさせていただきます。 ご理解賜れますと幸いです。 何卒よろしくお願い致します」

 “勝又氏名義の店がない”とは回答する一方で、個別の店舗については答えられないという。なんともおかしな対応である。楽天サイドは問題に触れられたくないということだろうか……?

 ユニオンvs.楽天の第二ラウンドは、あるのだろうか。

角田裕育(すみだ・ひろゆき)
ジャーナリスト。兵庫県神戸市出身。北大阪合同労働組合青年部長、ミニコミ誌記者などを経てフリーに。著者に『セブン-イレブンの真実~鈴木敏文帝国の闇~』(日新報道)、『教育委員会の真実』(宝島社)。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年4月19日掲載

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