【コロナ禍】マスク寄付の善意を仇で… 中国企業から“マスク売ります”メール

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 こんなメールが札幌市内の総合病院に送られてきたのは3月初旬のこと。折しも北海道は、新型コロナの感染者が大量に見つかり、鈴木直道知事が緊急事態宣言を出した直後だった。

 病院の事務長が明かす。

「当時、北海道の病院はマスクや防護服が払底してしまい、卸業者からも入ってこなかった。私の病院でも事務員にマスクを回せません。そこにタイミングよくメールが送られてきたので、購入しようか真剣に検討しました」

 マスクや防護服が不足してしまったのは、中国で新型肺炎の爆発的な蔓延が伝えられた2月中旬、札幌など北海道内の自治体や医療機関が計5万枚以上のマスク、4万セット以上の防護服を中国に寄付したからだ。

 ところが、しばらくして今度は北海道がピンチに陥ったのはご存じの通り。2月上旬の「さっぽろ雪まつり」に外国人が大勢やってきたことも原因のひとつだといわれている。

「知り合いの病院にも聞いてみたのですが、このメールは、すでに2回、北海道各地の病院に送られている。国からマスクなどの手当てがつかなかった病院は高値で買ってしまったそうです」

 調べてみると、メールにある住所は中国・深セン市。だが、会社のホームページは見当たらない。かの国では、善意を平気で仇で返すのか、と事務長は怒る。海の向うには虎視眈々と、日本から金をむしろうと窺う輩がいるのである。

週刊新潮 2020年4月16日号掲載

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