“行き倒れ”の遺品・所持金をネコババで懲戒… 新宿区役所の40歳主査
芥川龍之介の『羅生門』には、行き倒れになった女の遺体から毛髪を引き抜く老婆が登場する。その毛で鬘(かずら)を作り、日々の糧に換えていたのだ。芥川は、老婆に人の本性を語らせる。
「これとてもやはりせねば、饑死をするじゃて、仕方がなくする事じゃわいの」
小説が描くのは疫病と天災に悩まされる平安の世。が、現代になっても野垂れ死にする人は後を絶たない。
東京都の新宿区役所に勤務する主査(40)が、「行旅死亡人」の所持金や遺品を自宅に持ち帰っていたとして懲戒処分を受けたのは3月27日。...