被害選手が激白! レスリング協会副会長が強化費ピンハネ 栄和人氏からの圧力音声公開
「書けよぉぉ!」
「大学で現金150万円を受け取りました。その際、監督は“お前のオヤジはクソ野郎だ”“このカネはお前の物でもオレの物でもなく、大学のカネだ”と悪態をついていました」(同)
元来、監督預かりとなっていたのは月4万円、その4年分と計算すれば返金されるべき額は192万円となる。ただし、藤波は1年間ほど月およそ5万円でトレーナーを雇い、その費用60万円は強化費から充てる約束だったので返金額に問題はないが、疑われるのは監督による過去のピンハネだ。
「少し多くは戻ってきましたが、返済前に銀行で監督に預けた口座の出入金記録を開示してもらったら、18年12月に50万円、19年1月に40万円と大きな金額が引き出され、その後もちょくちょく出金があり残額はほぼゼロでした。監督が何に使ったのか、説明や謝罪はありませんでした」(同)
スポーツ評論家の玉木正之氏が断じるには、
「預かったお金を返さないのは、一般社会で到底許されることではありません。昨今のスポーツ界の不祥事は、若い選手と古い指導者との感覚のズレが大きくなって、次々と明るみに出ている。若い彼らは上の言うことを何でも聞くのではなく、自分の頭で考えた方がいいという当たり前のことに気づいているのです」
改めて見解を問うべく、冒頭の代表選考の場にいた高田監督を直撃すると、
「本人が大学4年で子供を作ったから、本当はクビにする予定だった。運動部の特待生で許されますか、常識的に考えて。それなのにカネを返せって言われれば怒るでしょう。オレは本人と話をしてお金を渡して、向こうも納得していた。何か問題あるんですか」
口座残高がゼロになっていた点については、彼の食費などのため高田監督が自ら下ろしたことを認めた上で、
「預かっていたカネだから、どう使おうが勝手じゃないですか。もう返したし」
と開き直るばかりだった。
同じ会場にいた栄氏にも聞くと、電話は藤波「への激励だったとして、
「お金のことじゃなくて、集中して頑張れよって話をしたんです。オレは関係ないよ。好きに書けばいい」
と否定する。録音も確認しているがと再三問うと、
「書けよぉぉ! 関係ないって、本当にぃぃ!」
と、人目も憚らず絶叫したかと思えば、記者に向かって大きく両手を広げ、威嚇してくる始末なのだ。
強化費を提供していた山梨学院大学の広報は、
「ご質問いただいた件につきましては、大学として回答はいたしません」
上下関係や指導者の言うことは絶対という、体育会気質を否定するものではないが、カネが絡む話は別だろう。旧態依然のスポーツ界なら、斯様な愚行は再び繰り返されるに違いない。
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