50年来「同性カップル」の相続権を司法はどう裁いたか

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 遺産を巡る裁判は日常茶飯事だが、この法廷が注目されたのにはワケがある。3月27日、大阪地裁で判決が下ったのは、長年連れ添った「同性パートナー」の遺産相続を巡る訴訟だった。これを司法はどう裁いたか。

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「4年前に急死した彼とは、50年近く同じ屋根の下で暮らして、一つのベッドで手を繋(つな)ぎ、寝食を共にする関係でした……」

 と振り返るのは、大阪府内に住む原告男性(71)だ。

「世間にカミングアウトはしなかったものの、私の方の家族や友人たちは、関係を察して温かく見守ってくれた。理解してくれなかったのは、ただ一人、彼の妹さんだけ。ご家族と争うのは不本意ですが、妹さんは兄の遺産を相続するために、私たちの絆を踏みにじり、一緒に過ごした日々を否定してきたのです」

 そんな彼女を相手取り、訴訟を起こしたのは2年前だったとして、こう続ける。

「彼の葬式では惨めなものでした。一般参列者の席に座らされ、最後のお別れで棺に花を手向ける時間では、少人数の葬儀なのに親族にガードされて1度しか許されなかった。彼の顔を一瞬しか見ることが叶わないまま、火葬場への同行も妹さんに断られて、黙って泣くしかありませんでした」

 亡くなったパートナーは、彼の8歳年上。50年ほど前から大阪でデザイン事務所を共に立ち上げ、生計を一つに暮らしてきたそうだ。

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