慰安婦の守護神「挺対協」トップが国会議員に当確も“たまねぎ男”の二の舞か

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娘は米国でピアノ英才教育のWスタンダード

 ちなみに、尹氏の夫で水原市民新聞代表を務める金三錫(キム・サムソク)氏も、かつてメディアに「駐韓米軍の撤収」と「国家保安法の撤廃」という“反米”の主張を行っていたことがある。金氏は、1993年に「兄妹スパイ団」事件を起こし、妹と共に国家保安法違反の疑いで懲役4年の刑に処せられたこともある人物だ。

 世間は、尹氏夫婦が“反日”であり“反米”であることに何の疑いを抱くこともなかった。ところが、皮肉なことに尹氏夫婦の子供が米国の名門大学大学院に留学中であることが、最近、朝鮮日報の報道で暴露されたのだ。朝鮮日報は、尹氏の娘が米ロサンゼルス・カリフォルニア州立大学(UCLA)音楽大学院でピアノを専攻しており、「米国生活費は学費4万ドル(約440万円)を含め、1年に少なくとも7~8万ドルは必要だろう」と報じた。

 この件について、朝鮮日報は、日ごろは進歩市民団体の代表を務めながら反米スローガンを先頭に立って叫んできた尹氏が、わが子は米名門大学に留学させたことで、韓国社会の中で「ネロナンブル」を指摘する意見があると伝えた。

「私がすればロマンス、他人がすれば不倫」という意味の略語「ネロナンブル」は“ダブルスタンダード”を表す言葉で、文在寅政権の発足後、国民的な流行語となった。韓国で「ネロナンブル」と認定されれば、社会的な地位を一瞬にして失う。それほど、韓国では“ダブルスタンダード”が批判される。

 思い返せば、文在寅政権を一時、崩壊の瀬戸際まで追い込んだタマネギ法相こと曹国も、批判の根底にあったのは「ネロナンブル」に対する怒りであった。一般国民には「一流大学に通う必要のない国を作りたい」と主張しながら、陰で、自分の子供たちを一流大学に入学させるために、文書偽造にまで手を染めていたとされるタマネギ法相。彼にどれほどの社会的制裁が加えられたのかは記憶に新しい。

 韓国政界の「ネロナンブル」には枚挙にいとまがなく、親北・反米の在野運動家という経歴を持っている任鍾ソク(イム・ジョンソク)元大統領府秘書室長は、娘を1年間の学費だけで10万ドルかかるというシカゴ・アートスクールに留学させたし、駐米大使の候補に挙がったものの、反米性向が問題になってポストが流れた文正仁(ムン・ジョンイン)大統領統一外交安保特別補佐官の子どもは、米国市民権を取得している。

 朴映宣(パク・ヨンソン)中小企業ベンチャー部長官は、野党代表時代、朴槿恵政権を「親日政権」と激しく非難してきたが、蓋を開けてみれば、東京の港区に高級タワーマンションを所有しており、息子は米国市民権者で日本の中学校に通わせていた。

 子どもをよりよい大学に通わせたい、というのは、親ならば当然の想いである。問題は、未だに“反●●”という枠組みから離れられない韓国政界の方であろう。

金昌成
韓国在住のジャーナリスト。韓国政財界や芸能界など幅広い分野で記事を執筆。来日経験も多く、日韓関係についても精力的に取材を行っている。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年4月14日掲載

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