【コロナ禍】高3受験生も「全く授業がない」異常事態 都立の名門「日比谷・西・国立」に取材した
優等生は自習も楽勝?
2002年とは、どんな年だったか。時事通信の「2002年10大ニュース」は、9月に行われた初の日朝首脳会談を1位に選んだ。10月には拉致被害者5人が帰国を果たした。
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同年の「ユーキャン新語・流行語大賞」を調べてみると、「タマちゃん」と「W杯(中津江村)」の2つが受賞している。
前者は8月7日、アゴヒゲアザラシが多摩川丸子橋付近で発見され、一大ブームが起きた。
後者は5月にサッカーの日韓共催W杯が開催、カメルーン代表が大分県中津江村を公認キャンプ地とし、こちらも多くのメディアが詰めかけた。
02年に生まれた著名人と言えば、例えば7月19日生まれの棋士・藤井聡太(17)や、同月21日生まれのフィギュアスケート選手・紀平梨花(17)となる。
なぜ02年について詳述したか、それは現在の高校3年生が生まれた年だからだ。
東京都の教育委員会は4月1日、都立高校について「5月の大型連休が終わるまで休校」と決めた。言うまでもなく新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためだ。
都立高は3月から休校となっており、春休みを挟み、生徒たちが学校に通えない状態は最低でも5月まで続く。まさに異常事態と言っていいだろう。
産経新聞は4月1日(電子版)、「新学期休校『新高3生、受験に響く』 都立高、4月は授業多い1カ月」との記事を配信した。
《新学期の授業時間の多い貴重な1カ月を“ロス”することになり、学校関係者から大学受験を控える新高3生への深刻な影響を懸念する声が上がった》
授業がない悪影響は誰でも理解できる。とはいえ、具体的にどんな弊害があるのか、イメージすることは難しい。
そこで都立高屈指の進学校に取材を依頼し、現場で今、何が起きているのか教えてもらうことにした。
「週刊朝日」4月3日号には、「2020入試速報 大学合格者高校ランキング(6) 東大」が掲載されている。
この表によると、日比谷高校は現役と浪人を合わせて40人が東大に合格している。全国の東大合格ランキングでは13位、都立高だけを見ると1位だ。
現浪合わせて20人の西高校は、全国ランキングでは32位だが、都立高では2位。国立高校は現浪合わせて16人で、全国は42位、都立高では3位だ。
この3校の現状を、ご紹介しよう。最初は文書での回答となった国立高校だ。質問の第1点として、臨時休校がスタートした日付と、登校日の設定について訊いた。
《臨時休校は3月2日から今まで続いております。2年生(編集部註:4月から3年生)については課題提出のための登校日を設定しました》
質問の第2点は、今の3年生が3月から4月にかけ、例年はどんな高校生活を送っていたのか訊いた。
私立の中高一貫校など一部の進学校では、高校2年生で3年生までの授業を終えてしまい、3年生は4月から大学受験対策のカリキュラムを組んでいる。
国立高校の3~4月は、どんな感じなのか、回答をご紹介しよう。
《3月は期末考査後、行事が詰まっています。3年生は4月早々に修学旅行(関西方面)にいき、新入生歓迎会、第九演奏会、クラスマッチとGW明けまで行事が詰まっており意識の高い生徒とのんびりした生徒ではかなりの差が出ると思います》
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