銀座のクラブで「コロナ感染」パニック 売り上げ半減、一時休業相次ぐ

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 日本を代表する「夜の社交場」も、拡大するコロナ禍の影響を免れることはできなかった。

 ベテランスカウトマンが嘆息混じりに明かす。

「銀座には高級クラブが30~40店ほどありますが、その8割ほどが3月30日から一時休業に追いやられました。有名どころでは“クラブ麻衣子”や“ファーストクラブ”が臨時休業を決めています。最大の理由は、小池都知事が会見で“ロックダウン”や“不要不急の外出を控えて”と繰り返したせいで、客の入りが激減したこと。銀座の人気店はひと晩の売り上げが300万~400万円ほどですが、いまやほとんどの店で半減しています」

 大企業に勤める客は接待や会合を禁じられているため、経費を使って銀座で飲むことができない。また、社員がクラブを訪れてコロナに罹患したとなると格好がつかないという理由から、「銀座には近づかないように」と御触れを出す会社もあるという。そうした事情も高級店ひしめく“夜の街”に暗い影を落としていた。

 一方で、実際にクラスター騒ぎも起こっていた。

「ある老舗クラブは常連客にコロナ感染者がいたことが原因で、2週間の営業停止になりました。他にも、60代の黒服幹部が救急搬送された上、感染が発覚して、系列店を含めて営業自粛を余儀なくされた店もあります。接客したホステスが感染すれば、他のお客にもうつしかねないし、そうした噂が立つだけで客足が遠ざかってしまう。3月半ばまでは“休業したいけど、コロナ感染者が出たんじゃないかと疑われるので店を閉められない”と悩むママも少なくありませんでした」(同)

“3密”すべてに該当

 厚労省のクラスター対策班による追跡調査に対し、感染が判明したホステスが常連客の名前を明かそうとせず、調査が難航することも。

 周年記念イベントを延期したという、あるクラブのママも肩を落とす。

「完全にパニック状態ですよ。東日本大震災の時も酷かったけど、それ以上かもしれない。しかも、今回はいつ収束するのか全く分かりませんからね」

 歓送迎会や役員の就任祝いが重なる3月から4月は、1年のうちでも稼ぎ時。にもかかわらず、このところ目抜き通りにも人影はまばらだという。加えて、銀座のママは、東京都が避けるべしと指示した密閉、密集、密接の“3密”に頭を痛めている。

「銀座のクラブは大体40坪前後で、新宿や六本木と比べて狭いんですね。そんな空間で小さなテーブル越しに女の子が接客するんだから“3密”すべてに当てはまりますよ。頼みの綱はポケットマネーで飲める年配の社長さんですけど、志村けんの訃報を耳にして怖くなったのか予約をキャンセルされました。この状態が2カ月も続けば店を畳むしかないですね……」(同)

 このままでは、コロナの脅威が消える前に、銀座の灯が消えかねないのだ。

週刊新潮 2020年4月9日号掲載

特集「『コロナ戦線』異状あり 『銀座クラブ』で感染拡大パニック!」より

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