【コロナ禍】現役デリヘル嬢が語る「コロナ非常事態」に風俗に行くやつの素顔

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愛国ブルマおじさんの恐怖

――「カード男」や「森三中男」よりヤバい人でも、営業をかけるわけですか。

ことみ:たとえば、スーツの下にパンツがわりにブルマを着用している60歳前後のおじさんが来たんですよ。で、自分が持参した別のブルマを私に履けと。しかも新品じゃなくて、なんだか布地に使用感があるんです。

――これは、想像以上のパワー系ファイターが来ましたね……。

ことみ:他にも気持ちの悪いことがいろいろあって、もう次回は絶対NGだと思ったんです。しかも、おじさんはなぜか右翼? なんですよ。部屋でテレビのニュースを見ながら「日本はもう1回、戦争をしたほうがいい」と演説を始めて。

――60歳愛国ブルマおじさん。希望は、戦争。

ことみ:でも、現在の状況だと、こういうおじさんでも営業をかけるしかないですね。指名をもらうために、バンバンかけると思います。

「緊急事態宣言」後も営業は継続中

 4月7日には緊急事態宣言が出され、コロナ問題をめぐる情勢はいっそう緊張の度合いを増しつつある。現在、居酒屋なども含めたさまざまな店舗や施設が自粛要請を受けつつあるだが、実店舗を持たないことみさんのデリヘルは営業を継続中だ。

 政府は新型コロナウイルスの感染拡大の影響で一定の減収になった世帯に対して、現金30万円を給付する方針を発表している。ただ、支給要件の問題もあり、実態としてどのくらい有効性のある支援になり得るかは不透明だ。

“夜の産業”で働く人のなかには、通常の仕事(昼職)に馴染めなかったり経済的な問題を抱えていたりして、その道を選ばざるを得ない社会的弱者も多い。コロナの経済被害は、特に弱者にしわ寄せが及びやすい。

 一刻も早く、現在のウイルス禍が落ち着きを迎えることを望みたい。

安田峰俊
1982年、滋賀県生まれ。広島大学大学院文学研究科修士課程修了(専攻は中国近現代史)。中国問題をメインテーマに硬軟とりまぜた執筆活動をおこなっている。多摩大学経営情報学部非常勤講師を経て、現在は立命館大学人文科学研究所客員協力研究員。『八九六四 「天安門事件」は再び起きるか』(KADOKAWA)が第五回城山三郎賞、第50回大宅壮一ノンフィクション賞を受賞した。近著に『移民 棄民 遺民』(角川文庫)、『性と欲望の中国』(文春新書)、『もっとさいはての中国』(小学館新書)。

週刊新潮WEB取材班編集

2020年4月11日掲載

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