韓国、日本総領事館に侵入の大学生に実質無罪判決 残念な“情治国家”を露呈
昨年7月22日、韓国・釜山市の日本総領事館内でデモを行い、住居侵入の疑いで起訴された韓国の大学生7人に対して釜山地方裁判所は4月2日、日本ではあり得ないような判決を下した。「国民が共感した」という理由で罰金の支払いを猶予。実質的に無罪になるというのだ。
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7月22日の午前11時頃、日本総領事館に7人の韓国人大学生が訪れ、身分証明書を提示して、領事館にある図書館での閲覧を申し込んだ。図書館に入った学生たちは、午後2時半頃、いきなり領事館の庭に向かって駆け出し、バッグに隠していた「主権侵奪、安倍糾弾」と書かれたプラカードを出して10分近く、日本を批判するデモを繰り広げたのだ。その後、警察は6人の学生を逮捕。が、7人のうち1人はタクシーで逃亡した。警察はその日の午後10時過ぎに6人を釈放した。
今年の2月7日、釜山地裁で初公判が行われ、7人全員に発言の機会が与えられた。1人が「慰安婦や徴用工問題で謝罪しない日本が経済報復まで行ったことに腹が立ち(総領事館に)入っただけで、悪意はなかった」と発言すると、傍聴席から大きな拍手が沸き上がった。涙を流す者もいたという。裁判所の内外には、7人を支持する約150人の学生が集まり、「日本総領事館でのデモは若者として当然すべき律儀な行動であり、たとえ法に触れるとしても検察の起訴は不当だ」と主張した。
2日の判決では、7人全員に罰金300万ウォン(約27万円)と、2年間の宣告猶予が言い渡された。宣告猶予とは韓国独自の制度で、2年間違法行為がなければ、判決自体がなかったことになるという。要するに前科がつかない。無罪と同じなのである。裁判長は、「被告人たちの行動は国民も共感した。社会進出を準備している大学生である点などを考慮した」と、判決の理由を語った。
7人の大学生は、昨年7月10日に結成された「反日行動釜山青年学生実践団」のメンバーである。この団体には、2016年に釜山日本総領事館前に慰安婦少女像を設置した「キョレハナ」という市民団体などが加わっている。
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