新型コロナ「日本の致死率は韓国より高い」は本当か “文在寅に学べ”の大嘘
「最終的な目的は…」
韓国事情に詳しいジャーナリストの石高健次氏が解説する。
「韓国のCDC(疾病管理本部)が3月30日に発表した統計を見ると、感染者9661人のうち20代と30代が3632人と全体の約38%を占めていて、死者は両世代であわせて1人。致死率の低い若年層が感染者の相当な割合を占めれば、全体の致死率が下がるのは当然です。一方で、特に流行初期には軽症者が多数入院してベッドを埋め、高齢者が充分な治療を受けられなかったようです。現時点で高齢者は毎日のように死亡していると聞いています」
同志社大学客員教授で「松本クリニック」院長の松本浩彦氏もこんな見解を示す。
「PCR検査は検査する人に高いスキルが求められ、闇雲に検査数を増やすとその分、精度が下がってしまいます。確かに韓国では日本の数十倍の検査を行っていますが、数が多い分、偽陰性や偽陽性がたくさん出ていると考えるべきです。つまり、本当は陰性なのに無駄に隔離して医療リソースがそこに割かれてしまったり、逆に本当は陽性なのに陰性のお墨付きを得ることで、その人が外を歩き回ってさらなる感染拡大を招いている可能性もある。検査件数が多ければ良い、少なければ悪いという単純な問題ではないのです」
最後に浜松医療センターの矢野邦夫副院長が、
「韓国を見習うべきとの意見には同意しかねます」
として、こう締めくくる。
「新型コロナウイルス対策の最終的な目的は、死者の数を増やさないことです。国単位で考えると、国民100万人あたりの致死率が低いほど、このウイルスとの戦いに勝ったと言えます。今のところ日本はこの数字が低いのですから検査数は適切だと言えるでしょう。最も恐れなければいけないのは、検査数を増やして医療現場がパンクするリスクを高めてしまうことです」
歴史のみならず、医療でも「自虐」が罷り通ることがあってはならない。
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