映画「三島由紀夫vs東大全共闘 50年目の真実」 知られざるポイントを専門家が解説
作家・三島由紀夫と東大全共闘(実力闘争を掲げた学生運動組織)は1969年5月13日、東大駒場キャンパスで2時間半の討論会を行った。全共闘は人寄せのポスターに“近代ゴリラ”三島の戯画を描いた。会場の大教室は1000人余りの学生で埋まり熱気に包まれた。これをいくつかの週刊誌がセンセーショナルに報じ、世間の耳目を集めた。
三島は事前に討論会の書籍化を新潮社に持ちかけていた。編集担当者は、出始めたカセットではなく重いオープンリールテープの録音機を携え、社のカメラマンも三島に同行して会場に乗り込んだ。...