米倉涼子を失ったオスカー、社員も大量退社していた 背景に “創業者娘婿”の存在

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社長秘書が辞職

 堀専務の何が問題なのか。この幹部の言葉を借りれば、

「どうも融通が利かない人間みたいなんですよ。制作現場を知らないのに口を出してきたり、管理部門に移ったら移ったで、経費の使い方を口うるさく言ってきたりするそうです」

 ということになる。

「芸能界はやっぱりアナログなところがあって、ある程度『糊代(のりしろ)』みたいなものがないとやっていけないじゃないですか。仕事を取るためにはテレビや制作会社の人間と飲んで関係を維持するための接待費が必要ですから。娘婿はそういうことがわからないタイプで、自分たちファミリーのカネが不当に散財されていると受け止めている。オスカーの社員と会うと、“いつ事務所を辞めてどこに移るか”というような話ばかりになりますね」(同)

 昨秋には、こんな事件もあった。さる芸能関係者はこう明かす。

「10年に亘って古賀さんの秘書を務めた50代の男性が、堀専務から“カネを使いこんでいる”と疑いをかけられました。渡瀬恒彦の現場担当をやってオスカーに移ってきた仕事のできる男です。そんな彼を堀専務と幸子常務の夫婦のふたりで問い詰めたようです。怒鳴ったり、つるし上げたり、恫喝もしたりとヒドい感じだったと言います。それを聞きつけた古賀氏と娘夫婦とが今度は事務所の中で言い争いになったものの、社長が押し切られて秘書は辞めるハメに。彼自身、“使い込みの事実はない”と主張していたんですがね。仕事ができるといっても、芸能事務所の社長秘書って特殊なジャンルなんで、ツブシが利かない」

 社長より娘夫婦の発言力が優ってしまった象徴的な一件と言えるだろうか。そして、この事件の直後から、米倉の発言が各方面に伝播していくことになる。

 今年創立50周年を迎えたオスカーは、3月26日に、古賀氏が会長に、石川薫副社長が社長に就く人事を発表した。堀専務は現職のままだが、この関係者は「社長就任へのラインが整備されたと見られる」として、こう続ける。

「古賀さんが会長として社に残るといっても、これまでみたいに現場に睨みを利かせる機会は少なくなるかもしれない。娘婿に誰も何も言えなくなる事態が更に進行するかもしれない。タレントを守る社員やマネージャーが次々と逃げ出す状況に米倉は耐えられず、逃げたいと思っているのでしょう」(同)

 古賀氏、そして堀専務の証言はつづく(2)にて。

週刊新潮 2020年4月2日号掲載

特集「『米倉涼子』退所を招いた50周年『オスカー』創業者の娘婿」より

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