たるみ・ほうれい線が消える小顔マッサージ(1) 重力と闘う「形状記憶」
部位を総合的に
再び“美容整形卒業生”のKさんの話に戻ろう。
「施術後、顔色が良くなって輪郭が小さくなり、頬の高い部分の位置が上がってマリオネットラインなどシワも薄くなりました。シワの入り方を見ると顔の左右の歪みもなくなった気がします。通い始めた頃は週1回でしたが、今は月2回程度で済んでいます。これからも更に自分の顔が良くなっていくという期待感が持てます。ボトックス注射の時代は、元通りになったらまた行かないといけないという精神的負担も大きかったのですが、今はとても落ち着いた気持ちでいられます」
月に1万円弱だった基礎化粧品への投資も激減し、
「昔は分厚く塗ったファンデーションも今は日焼け止めの上にパウダーを軽く重ね、気になる部分をコンシーラーで隠すくらい。施術料金は決して安くはないけれど、他の化粧品や美容医療にかけていたお金がかからなくなったので、トータルの出費でみればそんなに高くないと感じています。美容医療そのものを否定する気は全くありませんが、一時的にキレイになっても効果が切れた時の反動が大きいとは感じています」
CHIDOさんのサロンに通う面々の中には医師もいて、そのひとりである松永博喜氏は、こう分析する。
「美容整形は基本的にメスを使う、不自然な部分がありますよね。手術直後は良いとしても、後に顔に不均衡なところが出てくる可能性が少なくない。人の顔は粘土細工のような可塑性があって、つまり、左に動かしても右に戻ろうとする。彼女の施術はその可塑性を用いながらもそれを固定するという非可塑性を持っている。一時的な変化で終わらない根本的な補整を手掛けているのだと見ています」
先の大竹氏に「手術の弊害」について聞くと、
「顔のパーツの一つを完全に自分の理想通りにしたとしても、顔全体で見た時に魅力的だとは限りません。例えばおっとりした顔立ちの場合は二重瞼より一重のほうが似合って見えたりすることがあるわけです。それなのに瞼だけを完璧な二重に変えてしまうと当然、他の部分に比べそこだけが浮いてみえる。それで鼻も、口も、と次々に整形したくなってしまうという話もよく聞きます。良くない医者の中には、該当部分だけが周囲と比べて目立って浮くように整形して、結果、次々と整形したくなるように仕向ける医師もいると聞いたことがあります」
最後に、CHIDOさんの施術に関して訊ねると、
「本当に顔の脂肪等を動かしているかどうかは検証データがなければなんとも言えませんが、CHIDOさんの個人的な技術によるところが大きいのだろうなと感じました。顎関節の違和感が改善した、血色が良くなったり顔がスッキリしたという声がありますよね。これは本来であれば整形外科医や歯科医、循環器内科医などが診るべきところでしょう。そうした顔に関わるいろいろな部位をCHIDOさんは総合的に見ていらっしゃるのかなと感じました。美容外科というのはあくまで顔の見栄えだけを整えるものですが、CHIDOさんの場合はリンパやアゴ、頭蓋骨といった顔や首、頭全体の不調を治していく施術なのだと思います」
医と美の融合と言われれば、腑に落ちる部分もある。
前述の通り、セルフケアも行えるという。次回でその実践法を紹介したい。
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