たるみ・ほうれい線が消える小顔マッサージ(1) 重力と闘う「形状記憶」
骨密度の低下率
集中力を更に高めるため、酸素と水素を機器から吸入しながら施術を行なうCHIDOさん。上の写真を参照してもらいつつ、本誌(「週刊新潮」)記者(40代男性)が体験した流れを説明していこう。
まず、もちもちして温もりのある指のタッチがすこぶる気持ち良い。取材ゆえに絶対に寝まいと意気込んでいたのだが、ものの5分で眠りに落ちた。「寝落ち率は100%です」と彼女。
彼女の理論では、喉仏から上を顔面だと捉えており、そこから上へと肉を持ち上げていく印象だ。あくまでもソフトなタッチで全く痛くない。フェイスライン、アゴ、ほうれい線~頬、鼻筋・小鼻、目(たるみ、クマ、涙袋、シワ)、眉~おでこまでのケアを仰向けになった状態で受け、続いてイスに座って首・デコルテ(襟ぐり)のケアに移る。
「うなじのラインに脂肪が溜まり出すと、この肉は次に正面へと流れて二重アゴの基礎となってしまいます。そして、うなじから流れてきたムダな肉は喉仏あたりに溜まります。痩せている人は皮が、太っている人は脂肪がここに集まり、放置するとデコルテを通ってバストあたりにまで影響する可能性があります」
上アゴ、下アゴ、そして腰椎の骨密度が加齢と共にどう変わるかを調べたデータがある。当然、40歳までと還暦越えとでは骨密度に違いは出てくるのだが、その低下率が最も大きいのが下アゴだったという。
このデータなどを使ったNHKの番組「美と若さの新常識~カラダのヒミツ~『めざせ!美顔スペシャル』」では、骨密度が低下すると骨が縮んで皮膚と骨との間に隙間ができ、余った皮膚が深いシワやたるみの原因となることを専門家が指摘している。骨密度の低下率の大きい下アゴ周辺に、ほうれい線やマリオネットライン(唇の端からアゴにかけてのシワ)が現れ、それが老化の象徴となるのは言わずもがな。
施術に話を戻すと、たった1回40分だったが、左右非対称が幾らか修整され、先にCHIDOさんが解説していた通り、光が高いところに当たるようになったおかげで、若く見える。
目の錯覚でしょ?というムキも少なくなかろうが、実際、3年ほど彼女の施術を受けているHさん(49)=掲載写真(1)=に聞くと、
「左右非対称なことは気になっていました。眉を描くのが大変で、眉サロンに通っていたほどですが、その必要がなくなりました。始めた時には顔が膨らんでいたんですが、“痩せた?”とよく指摘されるようになり、小顔効果は覿面(てきめん)。もともと童顔ではありましたが、“30代前半?”なんて言われます」
Hさんがこちらを訪問するキッカケは母のMさん(75)=同写真(2)=の紹介。エステを受けるのが趣味で大好き、その道40年だった。
「CHIDOさんの施術を受けてもう4、5年くらいになります。それまでは加齢でシワが増え、全体的に下がった自分の顔を鏡で見るたび、気持ちが萎えるのを感じていたのですが、今は少しずつ良くなっていく顔を見て、何年か前の自分に戻ったようです。どんな最新エステを受けても、一時的に老化を止めるだけで若返ることはできないと感じていました。エステは、最新の機械などを施術のたびに薦められてお金も結構かかります。CHIDOさんの施術では結果も出ているので、さほど高いとは思いません」
数年前まで、西麻布のすし店で女将として人前に立っていたMさん。
「施術を受けるようになってから、ノーファンデ(ーション)で済むようになり、人前に立つのも恥ずかしくなくなりました。どんなに歳をとっても死ぬまで女性でいたいと思っていますし、感じのいいお年寄りになりたいと思っています」
CHIDOさんのサロンへ定期的に通うのは約70名。その中で最年長のRさん(84)=同写真(3)=は、
「美容整形をしようと思ったことは一度もありませんでした。痛いのは絶対嫌だし、怖いし。そこまでしてキレイにならなくてもいいやと思っていたんです」
それでも知人の薦めもあって今年の1月にサロンの門を叩いたところ、
「痛いどころか気持ち良くて寝てしまいました。施術後、ビフォーアフターの顔写真を見てビックリ。シワとか顔の表面のたるみで、顔に凸凹ができていたのですが、それがなくなって全体的にふっくらとしていたからです。何より友達から“最近、目がパチッと開いていて大きく見えるね”と言われたのに驚きました」
施術の効果は見た目にとどまらず、
「顎関節の噛み合わせが改善するという思わぬメリットもありました。もともと歯の治療中で噛み合わせがあまりしっくりきていなかったのが、施術後、奥歯でしっかり噛み締められるようになったことに気づきました。今は食べ物をよく噛めるようになって、それもすごく嬉しいです。実際にレントゲンを撮ってもらったら、施術前後で顎関節の骨の位置が改善されていたそうです」
歯科医の手塚充樹氏はこう指摘する。
「筋肉の緊張が取れて、顎関節の位置に変化が出た可能性はあります」
続いて、サロン歴3年になるKさん(57)=同写真(4)=は、ヒアルロン酸注射などの美容整形卒業生だ。
「50歳を過ぎたあたりから、目尻のシワやほうれい線、口元のたるみなど更年期特有の老けこみに相当悩んでいて、ヒアルロン酸やボトックスの注入などを継続して他のクリニックで受けてきました。糸リフトも真剣に検討したことがあります」
CHIDOさんの著書でご当人の変わりように接し、“どうせ整形でしょ⁉”と高を括ってはいたものの、ダメ元で1回だけトライしたら、その1回で顔がかなり変化したのだった。
「ボトックスなんかの注射の効果は半年続くと言われていましたが、実感としては2カ月くらい。しかも1本2万~3万円くらいする注射もある。何より注射は痛いんです。美とは我慢だと私は思い込んでいたので、気になる部分への注射も厭わなかったのですが、CHIDOさんの施術は気持ち良くて眠ってしまう。なのにキレイになれる。だからすべての美容医療を止めて、今はCHIDOさんの施術だけになっています」
美容医療ジャーナリストの大竹奉一氏に補足してもらうと、
「顔の皮膚にアプローチする美容医療に限っても、レーザー、光、糸、フィラー、ボトックスなど五つくらいの方法がある。レーザーはスポット的に皮膚に照射してシミなどを消す施術法で、光治療はレーザーより広範囲に照射して肌全体を改善させるもの。糸は皮膚に入れることで刺激になり、コラーゲンが糸を入れた部分に集まってくることでふっくらとさせる方法です。ですからほうれい線などしわが気になる部分に入れることが多いですね。何十本も糸を入れて皮膚全体を若返らせるなんてケースもあります。フィラーはヒアルロン酸や脂肪を注入するもので、ボトックスは、弱めたボツリヌス菌の毒素を筋肉に注射して麻痺させるやり方。アゴのエラなど気になる部分の筋肉に打って麻痺させ、筋力を落とすことでスッキリ見えるようになります」
こうした美容医療は1回3万~5万円くらいで済むことが多いのだが、
「究極の若返り法であるフェイスリフト等は1回200万くらいかかる場合もあると聞きます。これは顔の皮膚にメスを入れ、ベロンと剥がして張りなおす。そうすることで顔全体を引っ張り上げる方法です。これをやれば10歳若返ると言われていますが、10年経つとまた老けるので、大手術を改めてやらないといけません。そのかわり、シワなどが伸びてパーンと張った顔になるわけですが……」
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