「佐々木朗希」唐突に始まった新聞連載の“仕掛け人”

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 時の人の登場で久しぶりに新聞紙面を凝視した人も多いのではないか。

 千葉ロッテマリーンズの佐々木朗希投手(18)の連載「激球一閃」が産経新聞の千葉県版で始まったのは、3月11日の朝刊。連載は、月に1回程度の掲載、11月くらいまで続く予定という。その一部を紹介すると、

〈卒業式では(中略)全校生徒の皆さんと教職員の方々にロッテのお菓子(コアラのマーチ)を1人1個、サプライズでプレゼント〉

 といったほほえましいエピソードや、

〈早く1軍に上がって投げている姿を地元の人たちに見てもらいたいです〉

 など、本人の決意が綴られている。しかし、よりにもよってなぜ「産経」だったのだろうか。

 スポーツ紙デスクは、

「千葉ロッテの敏腕広報が元サンスポの記者なんです。だから産経を選んだのでは」

 悔しさ半分でそう邪推するのだが、

「全く違いますよ」

 とは、その千葉ロッテの広報、梶原紀章氏である。

「産経さんには毎年、ドラフト1位になった選手の連載をしてもらっているんです。だから、今年は佐々木に。読売さん、朝日さん、毎日さんの千葉県版、千葉日報でもほかの選手や私自身が連載を持たせてもらっています」

 こうした“地元紙ジャック”は球界では稀だそう。

「数年前、地元の新聞に紙面を確保しようと、月に2回くらい各支局に足を運んでいました。結果、今のような形になり、おかげで何かの時に支局とパイプがあるので助かっています」

 最近では、東日本大震災で被災した佐々木投手が、11日にメディアの囲み取材で震災について語ったことも話題になった。

「彼は東北の希望。獲得した時から、震災を語れる選手になってほしいという思いがありました」

 まずはメディアを味方につけた。なればこそマウンドでも緩まず頑張ってネ。

週刊新潮 2020年4月2日号掲載

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