コロナ対策で「文在寅」の人気急上昇 選挙を控え「韓国すごいぞ!」と国民を“洗脳”
総選挙は延期しよう
――結局、新型肺炎を巡る戦いでは政権が完勝したのですね。
鈴置:韓国の選挙は突然に風向きが変わりますから、断定はできません。が、今のところは、新型肺炎は左派に追い風となっています。
保守を代表するメディア、朝鮮日報の姜天錫(カン・チョンソク)論説顧問は「4月15日、『大統領の愛国心』と『国民の愛国心』 差を見せよ」(3月28日、韓国語版)で「天変地異やその他やむを得ない時は選挙を延期できる、と選挙法にある」と書きました。
総選挙で保守が負けそうだ。新型肺炎の蔓延を理由に選挙を延期するしかない――と心情を吐露したのです。保守の追い詰められた状況がよく分かります。
保守系紙とはいえ普通なら、選挙前にこれほど露骨に保守に肩入れする記事は載せません。姜天錫・論説顧問にすれば、今回ばかりは違うということでしょう。
4月の総選挙で保守派が過半数を確保しないと、左派が司法を思いのままに操る組織、高官不正捜査庁が発足してしまうからです。
この組織は裁判官や検察官を狙い撃ちにします。左派政権が司法も握るわけで、その永久独裁に道を開きます(「文在寅政権が韓国の三権分立を崩壊させた日 『高官不正捜査庁』はゲシュタポか」参照)。
左派独裁、そして「ベネズエラ」
――韓国はどこへ行くのでしょうか。
鈴置:新型肺炎の先行きは不透明。大邱以外の地域では感染者が増え続けています。西欧から入国した人による感染の拡大――第3波も始まりました。
通貨危機に陥る懸念も増しています(「新型肺炎発の韓国の通貨危機 米国の助けも不発で日本にスワップ要求…23年前のデジャブ」参照
状況は極めて流動的ですが4月の総選挙で左派が勝てば、ベネズエラのように内紛が激化する可能性が高い。左派の永久執権体制に対し、保守が死に物狂いで抵抗するのは間違いないからです。
後世の韓国史家は「新型肺炎が起きなければ、韓国は崩壊しなかった」と書くことになるのかもしれません。
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