BS無料放送「Dlife」が終了 辛口コラムニストが愛した理由
リモコンが面倒?
もっとも、そんな具合にあのチャンネルをありがたがってるワタシみたいな視聴者ってのは、数としちゃ多くなかったんだね。若いモンは海外に行かず、年寄と一緒になって「ニッポン凄い」の集団オナニー。そういう内向きの国だからこそDlifeは終わっちゃうわけだし、ディズニー側が、たとえ有料でも、たとえネットででも、後継になるようなサービスを提供しないのは、そんな鎖国市場にはDlife的なコンテンツには事業性がないと踏んだからでしょう。
まぁ、確かに、さっき便利だ気軽だとは言ったものの、決して徹底的にわかりやすかったわけじゃない。Dlifeという看板からは、浦安を東京と化かすほどの魔力を持つディズニーというブランドが見えにくいし、258というチャンネル番号は、普通にTVを見ている人たちにとっては場末であり僻地であって、使いにくかった。
TVのリモコンで、NHKのBS1からBSプレミアム、BS日テレ、BS-TBS……と「↑」ボタンでチャンネルを変えていくと、やがて有料チャンネルの森の森が始まり、そのドン詰まり、もう1回「↑」を押せばNHKに戻るという地の果てに陣取ってたせいか、そこに無料放送があること自体、知らないっていう人がけっこういたんです。
そのあたりの不便さ・不利さはディズニー側もわかっていて、2012年の3月に開局した後にはキャンペーンとして、ボタンがひとつだけある小さなリモコンをセブン-イレブンで無料で配布してたりもした。そのボタン押すと一発でチャンネルがDlifeに切り替わる、というだけの動作しかしない専用リモコン(これならドラえもんでなくても出せる)。
実のところ、そんなリモコンがなくてもDlifeにチャンネル合わせるのは簡単で、NHKのBS1を映した後、普通のリモコンで「↓」ボタンを1度押すだけでよかったんだけれど、それでも面倒くさいっていう人、あるいは、リモコンで言えば「NHKより下」、番組表で言うなら「NHKより左」にもチャンネルが存在するなんて想像もできない人というのはけっこういたんだろうね。
[2/3ページ]