「頭痛」が消える「骨格矯正」

ドクター新潮 健康 整体

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デスクワークとスマホ

 現代人に頭痛の悩みが増えている理由の一つに、デスクワークが多いことが挙げられます。最近は、そこにスマートフォンの使用が加わっています。実は、パソコンやスマートフォンを使い続けることは、これまで述べてきた三つの頭痛すべての原因になります。

 デスクワークでも、スマホを使うときでも、姿勢は自ずと猫背になります。すると首の筋肉に負担がかかって、「緊張型の頭痛」を引き起こします。

 人間の頭部はスイカと同じくらいの重量があります。ところが、パソコンに向かったりスマホを使ったりするときは、少し下を見る前傾姿勢になるため、頭部を支える首の筋肉がこって、頭痛につながるのです。

 私が「緊張型」と呼ぶものは、筋肉痛と同じです。腕を使いすぎれば腕が筋肉痛になるように、首が筋肉痛になり、それが頭痛につながる、という仕組みです。

 また、デスクワークやスマホは同時に、「膨張型の頭痛」すなわち「片頭痛」にもつながります。少し下を向いた姿勢を長時間続けることで、頭部に圧がかかり、頭がい骨は横方向に膨らんでいきます。

 さらには、前傾姿勢によって前頭骨が下がってくると、眼窩が狭くなって眼圧が上がり、「眼精の頭痛」にもつながります。目の酷使自体も、「眼精の頭痛」の原因になります。

 もうお気づきかもしれませんが、頭部を支える頸椎がゆるやかな湾曲を失い、首がまっすぐになるストレートネックも、同様に頭痛の原因になります。骨盤が後ろに倒れた状態でバランスをとろうとすると、上半身が前に倒れます。すると猫背や巻き肩になって頭が前に倒れ、首が生理的な湾曲を失ってしまうのです。

 あとは同じです。頭がい骨に圧力がかかって「膨張型の頭痛」が生じるばかりか、筋肉が緊張して「緊張型の頭痛」にもなるし、頭の重みで目がくぼんで「眼精の頭痛」にもなります。

 さて、最初に私は、頭痛が筋肉と骨格に由来すると気づき、独自の理論を構築した旨を述べました。筋肉や骨格が頭痛につながっていることを示すわかりやすい例を、姿勢以外にも挙げてみましょう。

 若い女性には、生理前に必ず頭痛に悩まされる人がいます。なぜか。生理前には全身の筋肉が緩み、骨格がズレやすく、首、肩、腰の痛み以外に頭痛の症状も出る人が多いのです。しかし、私が筋肉や骨格を矯正すると、そういう方の頭痛は劇的に改善します。慢性の頭痛もちの方も、施術を重ねるうちに、いつの間にか頭痛の悩みから解放されているケースが多いです。

 ですから、ぜひセルフ矯正を日々の生活に取り入れて、頭痛のない暮らしを取り戻していただきたいと思いますが、二つ、つけ加えておきます。

 もうおわかりのことと思いますが、頭痛の大きな原因は、姿勢が悪いことにあります。逆に言えば、頭を正しい位置、つまり首の上にまっすぐ立てるように置いていれば、頭痛に悩まされにくくなります。

 もう一つは睡眠で、意外にも頭痛に直結しているのが寝不足です。睡眠をしっかりとっていれば、緊張した筋肉も就寝中、時間の経過とともにそれなりに緩み、頭がい骨の膨張もある程度戻り、目の緊張も解けて眼精の頭痛も改善します。このように、すべての頭痛の症状に有効なのが「寝ぐすり」であることは、強調しておきたいと思います。

 正しい姿勢と十分な睡眠にセルフ矯正を加え、嫌な頭痛から解放されてください。頭痛に悩まされない状態とは、筋肉や骨格に負担がかかっていない状態であり、きちんと睡眠がとれている証でもあります。そういう状態が維持できていれば、体のほかの部位の健康にもつながるのですから。

清水六観(しみずろっかん)
美容矯正士。明大柔道部時代から数々の整体を学び、独自理論による整体術を確立。体形が崩れる原因として骨盤のゆがみに着目した。均整体クリニック院長(電話03ー3336ー6775)、日本美容矯正士協会理事長。「芸能人の駆け込み寺」でもある。

2020年3月30日掲載

特集「『頭痛』が消える『骨格矯正』」より

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