「頭痛」が消える「骨格矯正」
三つの頭痛に三つの矯正
まず、首の筋肉の緊張に由来する「緊張型の頭痛」を解消する矯正です。
(1)-a.あごを手のひらにのせます。その状態であごを強く押し下げ、一方、手のひらではあごを強く押し上げます。このとき、あごをのせるのは、左右どちらの手のひらでも構いません。ただし、反対の手でひじを支えたほうが、力が入りやすくなります。
こうして押し合った状態を、20秒ほど続けてください。これによって首の筋肉、すなわち頸筋が緩み、かつ整います。首はもともと縮んでおり、ねじれてもいるので、しっかり緩めないと整わないのです。
(1)-b.その際の注意点は、首をなるべくまっすぐにし、頭を前に倒しすぎないようにすることです。また、力は加減せず、思いきり入れるようにしましょう。
(1)-c.さて、こちらは首の筋肉を緩めるための矯正の、別ヴァージョンになります。鍼灸院などでは、後頭骨の一番下の「風池」と呼ばれる部分に鍼を打つことが多いようです。それに相当する矯正を、自分で指を使って、気軽に行うことができるのです。
首をまっすぐにしたまま、両手を前方で組んでから後ろに回し、頭がい骨の下端、すなわち風池をしっかりとらえます。次に、頭を後ろに反らしながら、親指はそれに逆らうようにして、頭を(風池の部分を)押しつけます。これも20秒ほど続けてください。
ここまでの動作によって、首の筋肉は緩んだはずなので、今度は同じ筋肉のねじれを解消していきます。
(1)-d.再び首をまっすぐにし、おでこに両手のひらをつけます。そして、おでこを手のひらに向けて前に出すようにし、おでこと手のひらで押し合います。この状態を10秒ほど保ってください。
(1)-e.これは(1)-dの別ヴァージョンです。手のひらを頭がい骨の真横、ちょうど耳の上くらいの位置に当てます。そして頭を横に倒し、手で抵抗する動作を10秒ほど続けてください。
これでもう首の筋肉は緩み、ねじれが解消し、「緊張型の頭痛」には効果てきめんのはずです。
続いて、「片頭痛」の対策に移りましょう。これは先に述べたように頭が膨らんだ結果として引き起こされるもので、ズッキンズッキンと痛むことから「脈動型の頭痛」と呼ぶこともできます。このタイプの頭痛は、頭がい骨を正しい位置に戻してやることで、緩和することが可能です。
(2)手のひらで側頭骨を両側からしっかりはさみ、手のひらを強く押し込みながら、つむじのほうに押し上げます。思いきり力を入れたままの状態で、10秒ほどがんばります。
この動作の目的は、頭がい骨を引き締めること。脈動型の片頭痛を緩和する方法は、頭がい骨を小さくすることに尽きるのです。同じ動作を3回は繰り返してください。
最後に、「眼精の頭痛」を緩和するための矯正です。
なぜ目に由来して頭痛が起きるのか。それは前頭骨の重さで、眼球が入っているくぼみ、すなわち眼窩が圧迫されて狭くなることに原因があります。結果として眼圧が上がり、目の筋肉が緊張して頭痛につながるのです。なので、眼窩を押し上げ、広げてやる必要があるのです。
(3)左右どちらの手でも構いません。手のひらを眼窩の上に押し当て、力を入れたまま押し上げます。この状態を20秒ほど維持してください。
[2/3ページ]