「頭痛」が消える「骨格矯正」

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 頭痛。これに悩まされている人は数多(あまた)おり、現代人の宿命であるかのように捉えられている。だが、筋肉や骨格に由来する原因を取り除いてやれば、意外にもあっさりと解放されうるという。しかも、家にいながらちょっとしたエクササイズで可能だというのだ。(以下は「週刊新潮」2020年3月5日号掲載時点の情報です)

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 現代において、頭痛に悩まされたことがないという人は、ほとんどいないのではないでしょうか。すっかり慣れ切って、頭痛が日常になってしまっている人も多いようです。

 私のもとを訪れる患者さんは、首、肩、腰のいわゆる「3点セット」に問題を抱えている人が大半を占めますが、そういう人はほぼ例外なく、頭痛の悩みも抱えています。さらに言うなら、首、肩、腰などの問題から解放された人の多くは、同時に頭痛からも解放されているのです。

 実は頭痛には、医学的な見地とは異なる主原因があるのではないか――。私は以前、自身の経験からそのような仮説を立て、施術を重ねながら検証してきました。そうしてたどり着いたのは、頭痛とは、筋肉と骨格の影響によって起きるものだ、という結論です。

 私の施術後に、頭痛がすっかり治ってしまう人が続出する以上、主原因が筋肉と骨格以外にあると考えるのは不自然です。一方、たとえば、体のこりの影響が首に現れ、首が縮まった結果、頭痛が生じる、と考えれば筋が通るのです。

 こうして私は独自に、頭痛は基本的に、筋肉と骨格に由来して生じる症状だと解釈したうえで、それを緩和し、解消する方法を編み出しました。

 その際、頭痛を原因別に三つに分けました。(1)首の筋肉、すなわち頸筋(けいきん)が緊張して起きる頭痛、(2)頭がい骨の膨張が原因で起きる頭痛、そして(3)目の疲れが原因で起きる頭痛です。

(1)の、首の筋肉の緊張によって引き起こされる頭痛は、「緊張型の頭痛」と呼ぶことができ、首筋がキーンと痛みます。疲れたときや冷えたとき、お酒を飲んだあとなどに生じやすく、慢性化している人も珍しくありません。

 次に、(2)頭がい骨の膨張に由来するものは、一般に「片頭痛」と呼ばれ、頭がズッキンズッキンと痛むのが特徴です。これを「膨張型の頭痛」と言うこともできます。原因は主に姿勢で、頭がい骨が膨張すると血管が圧迫され、血管に付随する神経が反応して、頭痛が引き起こされるのです。

 もう一つは、(3)眼精疲労の延長に生じる「眼精の頭痛」です。前頭部が下がって眼球が収まっているくぼみ、すなわち眼窩が狭くなると、眼圧が上がって、目の筋肉がこってしまいます。すると、目の奧が痛むように感じられてきます。

(1)の「緊張型の頭痛」を解消するためには、ねじれている首を正しい位置に戻し、なおかつ緩めてやる必要があります。(2)の「膨張型の頭痛」、いわゆる「片頭痛」は、膨張した頭がい骨を再び締めることで解消させられます。(3)の「眼精の頭痛」は、眼圧を下げられれば緩和されます。

 このように記すと、頭痛の緩和や解消は困難なように感じられるかもしれません。しかし、家にいながらにしてのセルフ矯正で、頭痛の悩みから解き放たれることができるのです。

 私は、もしそれらを実践しても頭痛が解消しなければ、医者に行ったほうがいい、と指導しています。なぜならその場合は、たとえば女性ならホルモン系の異常であるなど、単なる頭痛にとどまらない、もっと深刻で重篤な疾病の可能性があるからです。

 それでは、三つのタイプの頭痛それぞれに対応した、3タイプのセルフ矯正を始めましょう。

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