ようやくお引越しされる「上皇さま」、 高輪の仙洞仮御所で待ち受ける“難題”

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 3月19日、上皇ご夫妻は26年間暮らした皇居を離れ、神奈川県の葉山御用邸と栃木県の御料牧場に滞在されている。帰京される31日から、お二人は東京・高輪にある仙洞仮御所(旧高輪皇族邸)にお住まいになる。皇居と赤坂御所の改修工事が行われる約1年半の間、ここで仮住まいされるという。そんな中、上皇陛下には“ある難題”が待ち受けていて……。

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 仙洞(せんとう)とは、仙人の住処の意味である。仙人は道教における理想的な人間で、俗世を離れて隠遁することから、退位した天皇の住まいの名称として用いられる。

 皇居の吹上仙洞御所から仙洞仮御所への引越し準備は、昨年末から進められていた。引越しを請け負ったのは、一般入札で決まった日本通運。1993年、上皇(当時天皇)ご夫妻が東宮御所から皇居に引越しされた時と同じ運送業者で、当時は2トントラック延べ100台あまりが使われたという。

「今回のお引越しで運ばれたお荷物は、トラック100台分を優に超えるでしょう」

 と語るのは、皇室ジャーナリストの神田秀一氏である。

「上皇ご夫妻の品々は、皇太子時代のものから、即位して天皇時代のものまで莫大な量があるからです。書籍だけでもすごい数です。上皇さまが研究されている生物学、植物、歌、花関連などの書籍があります。天皇は国民とともに歩むというお考えのもと、全国各地をご訪問されましたが、各地域の歴史や重要文化財関連の書籍も。また、上皇后さまは文学がお好きで、日本の小説や英文で書かれた海外の小説など数多くお持ちです。上皇后さまはご冗談で、『透明人間になって神田書店街をまわってみたい』とおっしゃったこともありました。書籍以外では、海外から贈られた数々の記念品や、名前は言えませんが、日本の総理大臣自筆の絵画などもあります」

 仙洞仮御所となる高輪皇族邸は、元々高松宮宣仁親王ご夫妻の住まいで、1973年に建てられた。敷地は約2万1800平方メートルあったが、2004年に喜久子妃薨去後に敷地南東部の約1800平方メートルが払い下げられ、住友商事が07年に高級分譲賃貸マンションを建設している。

 仙洞仮御所は、吹上御所と比べるとかなり手狭なため、赤坂御所の近くに倉庫をこしらえて、かさばるものを運び込んだという。

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