ペッペが日本で見つけた飲食店 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第33回は、ペッペさん。今回は「農民カフェ 下北沢店」に伺いました!!

 下北沢にある和風カフェで「農民カレー」を頬張ろうとするイケメン。名をペッペという。

「ヴィーガンの友人が日本に来た時に、どこかいい店はないかと探したら、ここが見つかって。僕はヴィーガンではないけど、料理がとっても美味しいのでちょくちょく来ています」

 話しながら髪をかきあげ、水を少し口に含む。その所作がなんとも絵になる。そう、この方の本業はモデル……ではなく、マンガ家なのである。

 イタリア中部の風光明媚なフォッサチェジーア出身のペッペさんは、16歳の時にマンガ家になることを決意。3カ月の日本への短期留学時に「東京と恋に落ちた」(本人談)とのことで、2015年に東京へ移住。以来、マンガを描き続け、昨年10月には週刊マンガ誌で『ミンゴ イタリア人がみんなモテると思うなよ』という作品の連載を勝ち取った。

 気になることがあれば事前に調べておく慎重な性格ゆえ、来日してからのカルチャーギャップは少なかったというが、誤算だったのは、お茶だった。

「イタリアでお茶といえば砂糖がたっぷり入った甘いものが基本。でも、日本のお茶を飲んだら全く味がしなくて、これの何が美味しいの?って(笑)」

 それでも飲み続けたところ、ある日突然、お茶の味の奥深さに気が付き、

「これで僕は日本人になったと思ったね(笑)」

 一般的に外国人が苦手とする、梅干しやとろろは好物で、現在は納豆に挑戦中だとか。食にはオープンマインドで、街中を歩いていて気になるお店を見つければ、ネット等で調べてから訪問する。

 一時期は日本式のカレーにはまっていたそうで、農薬や化学肥料に頼らないオーガニックな旬の野菜を使った料理を出す「農民カフェ」でも、たびたびカレーを注文するそう。

「東京は刺激的で、美味しいものも沢山ある。だから恋に落ちたんだけれど、最近、地元イタリアが改めて好きになってね。家族とか景色とか料理とか素晴らしかったなって。愛ってそうだよね、失ってから気づかされるんだよね……」

 そういってちょっと遠い目をしたペッペさん。いや、もう惚れてまうやろぉ~。

週刊新潮 2020年3月26日号掲載

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