眼科では治せない「近視」「緑内障」の“根本治療”

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眼瞼下垂にもならない

 続いて、これも行ったほうがいい、二つの矯正法もお伝えしておきます。まずは、頬を上げる矯正です。

(5)やはりテーブルに肘をついて、両頬のほうれい線の位置にそれぞれ、左右の手のひらを置きます。続いて、両手のひらを頬に押しつけたまま、引っ張り上げるようにして頬骨を上に押し上げ、20~30秒ほど、その状態を保ちます。

 この矯正もまた、眼窩を広げることにつながりますが、同時に、ほうれい線を解消する、ビジュアル面の効果もあります。

 次に鼻筋の矯正です。

(6)右の手のひらを右の頬骨の上に置き、指は広げて伸ばして後頭部に引っかけるようにし、右の頭骨を後ろに引っ張ります。同時に左手の人差し指と中指で鼻骨を押さえ、中指を右の鼻骨に引っかけるようにして鼻骨を押します。やはりこの状態で20~30秒ほどがんばって、反対側についても同じように行います。

 これによって眼窩が左右に広がります。また鼻づまりが解消し、鼻筋が通るという効果も期待できます。

 続けて、落ちくぼんだ目を前に出しましょう。

(7)右手の親指と中指で鼻骨をはさみます。同時に左の手のひらをおでこに置き、力を入れて押し上げながら、目頭のくぼみを前に出していきます。その状態を、やはり20~30秒ほど保つようにしてください。この矯正は、目のクマの解消にもつながります。

 見た目の若さを取り戻す方法も伝えます。

(8)両手のひらの付け根を頬骨に当て、上後方に引き上げると目尻のシワがとれます。また下後方に引き下げれば、シワの原因となる頬骨のズレが整い、ほうれい線を改善できます。どちらも10秒ほどがんばり、3回ずつ行いましょう。

(9)次に、右手の親指の腹を右の目頭のくぼみに当て、左上の方向に押した状態を10秒保ちます。これも3回繰り返し、左目にも行います。疲れ目に効くうえ、目頭が開いて目が大きく見えるようになります。

 眼瞼下垂という言葉があります。目蓋の機能異常の一種で、眼を開けようとしても上目蓋が十分に上がらず、瞳孔の一部が隠れてしまう症状です。発症すると、いつも上を見上げるようになるので、肩こりや頭痛がひどくなり、気分が落ち込みやすくなる、という随伴症状を引き起こすことが多いようです。発症原因の8割は、加齢による皮膚や筋肉の変性だとされています。また治療法は、一般には目蓋にメスを入れる手術が推奨されているようです。

 しかし、それも対症療法にすぎません。なぜなら目蓋のたるみは、おでこのたるみとつながり、おでこのたるみは眼窩のくぼみと連鎖しています。眼窩が押しつぶされていなければ、おでこもたるまず、目が開かれているから眼瞼下垂にもならずにすみ、手術も必要なくなるのです。

 このように、人間の体の各部位が密接に連鎖していることは、骨格矯正をしていると、日々痛いほど実感します。ところが西洋医学は多くの場合、この連鎖に目を向けず、眼瞼下垂であれば目蓋だけに注目して手術を施し、緑内障も眼圧だけをチェックして、それを下げる薬を処方します。

 しかし、目とそのまわりの症状や病気の多くは、述べてきたように、眼窩が狭くなることに由来しています。ですから、紹介してきた矯正法は、簡単なマッサージのように見えて、実は、目の不快感を解消し、視力を維持し、目を緑内障から守り、さらには目のまわりをビジュアル的にも若々しく保つための、根本的なケアだと言うことができます。

 最後に、ここに紹介した矯正を実行した方々から私のもとに、「整形だと疑われるほど目が大きくなったばかりか、視界が明るくなった」「目の動きがよくなって視野も広がり、階段を降りる速度も上がった」といった声が、続々と寄せられていることを書き添えておきたいと思います。

清水六観(しみずろっかん)
美容矯正士。明大柔道部時代から数々の整体を学び、独自理論による整体術を確立。体形が崩れる原因として骨盤のゆがみに着目した。均整体クリニック院長(電話03ー3336ー6775)、日本美容矯正士協会理事長。「芸能人の駆け込み寺」でもある。

2020年3月27日掲載

特集「眼科では治せない『近視』『緑内障』の“根本治療”」より

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