眼科では治せない「近視」「緑内障」の“根本治療”

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 昨今近視人口が激増し、失明原因のトップという緑内障の患者数もますます増えている。その原因は、眼窩のまわりの骨がくぼんで眼圧が上がることにあった。ならば眼窩が広がれば根本治療につながるわけで、実は、それは家で自分でも広げることが可能だったのだ。(以下は「週刊新潮」2020年1月23日号掲載時点の情報です)

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 いま、近視人口の急激な増加が指摘されていて、特に日本を含むアジア太平洋地域の高所得国の近視有病率が高いという、イヤなデータがあります。

 事実、すでに日本の人口の3割を超える4千万人超が近視と推定され、昨年8月には慶應大学の研究で、さらに恐ろしい状況が判明しました。東京都内の約1400人の小中学生を調査すると、小学生の76・5%、中学生の94・9%が近視だったというのです。

 日本人をはじめとするアジア人には、眼球が長くなって焦点が合わなくなる軸性近視が多いそうです。

 たしかに、私のクリニックを訪れる患者さんも「目が見えづらくなった」「目が疲れやすくなった」などと訴えるケースが目立ちます。ただし、多くの方は、その原因を「目の使いすぎ」だと考えています。

 もちろん使いすぎもよくないでしょう。ただ、私はこれまで長い間、ある体験を重ねています。クリニックで私が骨格矯正を施すと、患者さんが決まって、「視界が広がった」「明るくなった」「ものがよく見える」「視力が上がった気がする」などと口にするのです。

 試しに、患者さんの多くに、視力検査表による簡単な測定をお願いするようにしたところ、個人差はありますが、施術後は視力が平均して0・2ぐらい上がっていたのです。

 そこでわかったのは、目が悪くなる大きな原因のひとつは、眼圧の上昇にあるということでした。

 眼球内は房水と呼ばれる液体で満たされ、房水が循環することで一定の圧力がかかり、眼球の形状が保たれています。眼圧とは、要するに眼球内の水圧で、眼の硬さのことです。

 ところで眼球は、頭蓋の前面にあるポケットすなわち眼窩に入っています。その容積に余裕があれば眼圧も上昇しにくいのは、おわかりいただけると思います。しかし、眼窩は加齢によって、少しずつ上から押しつぶされていきます。

 姿勢が悪かったりすると、押しつぶされるスピードが加速し、結果として、おでこの骨が少しずつ顔のなかにもぐり込み、眼窩がくぼんでいきます。スマホをずっと見ているなどして下を向きがちな人は、人並み以上に眼窩が押しつぶされる傾向にあります。

 年齢を重ねると、目のまわりがくぼんでいる人が多くなることには、お気づきだと思います。これは頭蓋骨の表面を覆っている筋肉が緩んで、下に落ちてくることも原因ですが、実は、筋肉が緩むと、眼窩のまわりの骨自体もくぼんでしまいます。こうして眼窩の容積が小さくなることで、眼圧が上がるというわけです。

 眼窩が狭くなると、多くの困った結果がもたらされます。眼球の動きが悪くなって目に不快感を覚えますし、目の周りの血管が圧迫されてうっ血します。こうして血流が悪くなると、クマができたり、目のまわりがシワになったりします。

 ビジュアル面の問題だけではありません。眼底の奧にある、ピントを調整する神経が圧迫されることによって、視力が低下してしまうのです。やはり現代人に増えている眼精疲労の原因にもなります。そのうえ、もっと怖いことには緑内障にもつながります。

 緑内障は、大きな社会問題としてもとらえられている病気です。日本の失明原因の第1位で、日本緑内障学会が行った調査では、40歳以上の日本人における緑内障有病率は5%。しかも年齢とともに増加し、少子高齢化に伴って患者数がますます増加することが、確実視されています。

 そのうえ、同学会の調査で緑内障と判明した人の9割は、それまで緑内障と診断されていなかったそうです。つまり、自分が緑内障であることに気づかずに過ごしている人が、非常に多いのです。

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