NHKがネット同時配信開始 民放は“地方局”ネックで真似できず

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 NHKが放送業界に嵐を呼びそうだ。

 NHKは今月1日、テレビ番組を無料でネット同時配信する「NHKプラス」なるサービスを試験的に始めた。アクセスが殺到し、一時登録が停止するトラブルもあったが、2日間で10万人が登録したという。

「東京オリンピック開幕前の肝入り案件でした」

 とは、NHK関係者。

「同時に観られるだけでなく、放送中に番組の観たい所に巻き戻せる“追いかけ再生”機能などもある。受信料の値下げをカバーできる収入が見込めるはず」

 これに対し、戦々恐々なのが民放テレビ局だ。さる局の幹部は、

「ネットフリックスをはじめとした動画配信サービスに加え、NHKまでネット同時配信を始めたら、影響は大きい。両方ともCMがなく、巻き戻しも可能なうえ、スマホで視聴可能。若者世代に浸透したら怖いです」

 民放も始めたら、とは思うが事情がある模様。

「地方局が大打撃を食らうから簡単に手を出せないんですよ。この数年で視聴率は落ち、広告収入がネット業界に奪われている。さらにキー局が同時配信を始めれば、ローカル番組を観る人がガクッと減る。同時配信に向けた議論はありますが、地方局からの反発が強く、NHKのようには本腰を入れられていない」(同)

 先のNHK関係者が言う。

「ネットフリックスの会員数を超すことが局内の目標。正直、民放は相手じゃない」

 NHK、甘美なる一人勝ち。

週刊新潮 2020年3月19日号掲載

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