新型コロナ騒動つづく “マスク5千万円詐欺”に“クルーズ下船客を村八分”

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 新型コロナウイルスの象徴的な現象が「マスク・パニック」である。どこぞの県議が溜め込んでいたマスクをネットオークションにかけていたことが発覚し猛バッシングを受けたが、実は「マスク詐欺」騒動まで起きていたのだ

 被害者の憤激の声。

「ある代理店から2月に、市川海老蔵さんのCMで知られる『DR.C医薬』のマスクを1億5千万円分買わないかと持ち掛けられ、実際、倉庫で大量の在庫を見た。そこでまず5千万円分買おうと思ってお金を振り込んだら、代理店と連絡が取れなくなってしまった。現在、刑事告訴を検討しています」

 なお「DR.C医薬」は、

「(当該の)詐欺被害について、当社では認識しておりません。(中略)当社はいかなる詐欺行為にも関与した事実はありません」(広報担当)

 こう回答。兎(と)にも角(かく)にも、マスクは今、日本中でトラブルの元となっているのだ。

 そして、愚かな現象はなにもマスクに関することに限った話ではない。

 豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」から無事下船した50代の男性はこんな生活を強いられた。

「妻と一緒に下船し、ふたりともPCR検査を2回受けていずれも陰性でした。でも、世間の目は厳しく、ダイヤモンド・プリンセスに乗っていたというだけで『差別』される風潮があります。ですから、私たちは極力、家から出ないようにしていて、1日1回スーパーに買い物に行くにも人の少ない夜を選び、そのスーパーでも会話するのは避けている。まるで逃亡者のような生活です」

 また彼の「下船仲間」は、

「マンションに住んでいて、どういうわけかダイヤモンド・プリンセスに乗船していたことがマンション中に知られてしまっている。その人も陰性だったのに、彼がマンションの外廊下を通りかかると、それまで井戸端会議していた住人たちは話すのを止め、じっと息を潜めるんだそうです」(同)

 いかにも共同体意識の強い島国らしい、しかし恥ずべき「村八分」が現代日本で罷(まか)り通っているとは……。

 見えざる新型コロナウイルスは、目に見える形で、経済だけでなく人心をも破壊中なのである。

週刊新潮 2020年3月19日号掲載

特集「見えない敵との闘い『コロナ』大恐慌」より

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