埼玉県議の質問を“コピペ”… 「鹿児島県議」妻のお詫び

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「鹿児島のテレビ局などから連絡があって初めて知ったのですが、そりゃびっくりしました。相手からは連絡もなかったし、そもそも面識もないのですから」

 そう話すのは埼玉県議会議員の松坂嘉浩氏(無所属)である。

 鹿児島県議会の東清剛議員(58)=無所属=が昨年9月の本会議で質問した際、複数の埼玉県議会議員の質問を盗用していたと報じられたのは2月29日のこと。

 やり口は単純で、埼玉県議会のホームページからコピー&ペースト(コピペ)したものを、少しだけ手を加えて、自分のオリジナルな質問のように作りかえていた。たとえば「です」を「でございます」と変えるぐらいで、ほとんどそのまま。当該質問の約8割はコピペというから、まあ大胆と言うほかない。

 その東議員は鹿児島市の隣、日置市の出身。2015年に出馬し、現職を破って初当選すると2期目は無投票で難なく再選し、今に至っている。

「東さんは地元の高校・大学を出てそのまま家業を継いだ人。昔からPTA活動に熱心で、県のPTA連合会の副会長までやった人です。でも、それ以外に実績があるわけじゃない。それが議会では介護問題とか20くらいの項目も滔々と質問していたから大したもんだと思っていたんだけどね」(地元の有権者)

 議会質問は議員にとって“晴れの舞台”。だが、東議員にとっては重荷だったのだろうか。

 先の松坂氏が言うのだ。

「コピペ質問の7項目のうち四つは私の質問をほぼそのまま使っていたそうです。児童虐待とか、8050問題(80代の親が50代の子供の生活を支えている問題)など、私が現場を訪ねて取り組み、問題提起したものばかりです。質問に著作権があるかどうかは知らないけど、議員としての意識が低いんじゃないかとは思いますよ。公金をもらって活動しているのだから、自分で考えないと」

 そこで、東議員の自宅に電話をすると、妻を名乗る女性が出てきて答えるのだ。

「本人は心から反省しております。質問を考えるのにいつも苦労しておりまして、(ネットで探しているときに)問題を共有している人がいたと思って使ってしまったそうです。今回、厳しい批判を頂いたことで精神的にもまいっております。二度とやらないと申しておりますのでご容赦ください」

 大学では卒論でコピペが横行しているご時世である。議場にも「コピペ禁止」の張り紙が必要な時代なのかも知れない。

週刊新潮 2020年3月19日号掲載

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