ウグイス嬢事件 案里氏は全裸で克行氏は転倒…河井夫妻の抵抗劇

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検察官の前で全裸に?

 客室周辺はたちまち大騒ぎとなった。

「地検は令状を提示してドアを開けるよう申し入れたものの、夫妻は“弁護士と相談する”とドアにチェーンをかけて応じなかった。すると検察官らはそのチェーンを切って部屋に雪崩れ込んだ。部屋の中は乱闘同然となり、克行氏は検察官とともに転倒して負傷。結局、抵抗も虚しく、2人は携帯電話を押収され、ガサ入れは終わりました」

 案里氏が幹事長室の電話を鳴らしたのはその翌日。

「携帯を押収されたため、番号の分かる幹事長室に電話をしたのでしょう。怒り心頭に発した案里氏は、対応した林幹事長代理にコトのあらましを捲(まく)し立てた。“調べるならどうぞ”と言わんばかりに検察官らの前で服を脱ぎ、全裸になったとまで話したそうです。案里氏はプライドからか、自分から脱いでやったという口ぶりだったと言いますが、実際は、携帯電話の提出を渋ったために、意に反して下着まで脱がされたのでしょう。林氏も、さすがに検察はやりすぎだと、彼女に会見を開くよう勧めたとか」

 異例の強行に踏み切った広島地検。その裏にあるのは検察内部の暗闘だという。

 法務省関係者曰く、

「安倍政権は1月に“官邸の守護神”こと黒川弘務東京高検検事長(63)を検事総長に抜擢しようと、閣議決定で定年を延長した。この前代未聞の措置は、その座を譲らなかった稲田伸夫検事総長(63)への当て擦りにほかなりません」

 今回の一件は、そんな稲田氏からの官邸に対する意趣返しというワケだ。

「昨年末に東京地検特捜部が秋元司衆院議員を立件したときですら、気を使って会期中は避けた。それに、捜査が必要でも、現役の国会議員に対しては、弁護士を通じて任意聴取に応じてもらい、手荒な真似はしないと根回しをするのが通例です。本来、血気盛んな現場の検察官たちを宥めるのが上級庁の役目。ところが、トップの稲田さんは不敵に笑うばかりです」

 かくも恐ろしい権力闘争の行く末やいかに……。

週刊新潮 2020年3月19日号掲載

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