「松田聖子」40周年の悲しき逆境  マッキー新曲お蔵入り、メンバーの死…

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「40周年もここで」

 悪いことはまだ続く。中野サンプラザの凱旋コンサート中止、マッキー逮捕に加え、歌姫は大切な存在を失っていたのだ。2月、彼女のコンサートで長年ギターを弾いていた高田二郎さんが亡くなった。音楽評論家の富澤一誠氏が言う。

「高田さんはドリカムや中西圭三くんともずっと組んでいた一流のギタリストです。聖子さんほどのビッグアーティストになると、腕前はもちろん、相性のいい一流どころを集めてバンドメンバーにします。聖子さんが高田さんを手放さなかったのは運命共同体といった面もあったはず。彼女の落胆は相当だと思います」

 先のファンの女性もこのメンバーの死を知っていて、

「聖子さんから高田さんに関するコメントは出されていませんが、彼女は、二つ年上の高田さんをいつも重鎮として紹介していました。それで自分の年齢も近いことに触れ、会場の笑いを誘うのです。10年前、横浜アリーナでやった30周年記念コンサートで、聖子さんからマイクを向けられた高田さんは、“また40周年もここでやりましょう”と言っていたんですけれど」

 6月スタートの全国ツアーは10月まで続く。改修工事終了後の、“新日本武道館”のこけら落としのステージがラストだ。

 だがその前、9月の会場は横浜アリーナ――。国民的アイドルは、悲しき逆境を乗り越えることができるだろうか。

2020年3月19日号掲載

ワイド特集「人生の幕」より

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