新型コロナ「ペットにも感染」の真偽 香港で犬に陽性反応

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 香港政府は、新型コロナウイルスに感染した女性の飼うイヌが弱い陽性反応を示したことから、さる4日に「感染が確認された」と発表した。が、当のポメラニアンは発症しておらず、同政府も、

〈現時点でペットがウイルス感染を広げるとするデータはない〉

 などと説明した。家畜の感染症に詳しい専門家は、

「新型コロナウイルスはコウモリが感染源であるとほぼ明らかになっており、そこからいくつかの動物を経てヒトに感染したと考えられています。ですから、ヒトとペットとの間での感染は否定できません」

 としながらも、

「ただし、その可能性は限りなく低いでしょう。そもそも、中国であれほど爆発的に感染が広がったのに、イヌやネコのケースは全く報告されていないのです」

 2002年秋から広まった「SARS」騒動では、イヌから感染するという噂が広まったこともあった。

「当時、中国では大量のイヌが捨てられる事態となった。野良犬が増えれば別の病気を誘発しかねませんし、現時点ではペットの飼い主さんは何も注意しなくていいと思います」(同)

 医学博士でもある元小樽市保健所長の外岡立人氏も、こう言うのだ。

「コロナは哺乳動物に感染するため、イヌに感染しても不思議ではありません。ですが、今回はイヌから少量のウイルスが検出されただけの話。ノロウイルスのように強力であれば別ですが、通常は数十万から数百万のウイルスが入らない限り発病はないので、過剰に恐れることはありません」

 イヌの散歩やネコとの添い寝、そして動物園での触れ合い――いずれも、まったく自粛は不要というのだ。

週刊新潮 2020年3月19日号掲載

特集「『コロナ禍』に今なお7つの疑問」より

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