新型コロナとの正しい付き合い方 根拠なきイベント自粛は意味なし、周知徹底し開催を
新型コロナとの正しい付き合い方――矢野邦夫・浜松医療センター副院長(2/2)
新型コロナウイルスを特別なものだと思いすぎないことです――感染症に詳しい浜松医療センターの矢野邦夫副院長が、この病との正しい付き合い方を説く。曰く、「1、2年後には風邪のウイルスに近いものに分類されるのでは」。自粛が続くイベントも、守るべきを周知徹底して開催すれば良し、というのだ。
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現状では、新型コロナウイルスについての講習会まで取りやめています。しかし、ウイルスと戦うための啓発につながるイベントまでをやめるなど、実におかしな話。症状がある人は来てはいけない、ということを周知徹底したうえで、開催すべきだと思います。
ただしイベントを開く際、気をつけるべき点があります。一つ目は換気。ウイルスは飛沫に乗って短距離を移動し、換気が悪いと狭い空間内で、飛沫の密度が高くなってしまうのです。
新型インフルエンザが流行したときのこと。中国の観光地のバスに感染者が乗っていて、その人の近くに座っていた人に感染したものの、換気がよかったため、ほかの乗客への空気感染は免れました。一方、換気システムにトラブルが起きた飛行機では、感染者が1人いただけで、7割の乗客に感染しました。
二つ目は、歌って飛んだ飛沫が感染源になりやすい。だからカラオケはよくなく、換気が悪い会場で叫ぶのも危険です。狭くて換気が悪いライブハウスは、二つの条件を兼ね備えています。
一方、映画館は閉める必要がありません。特に新しい施設は換気も悪くないでしょうし、前を見ているだけなので、軽い飲食も問題ありません。大きなホールで行われるクラシック音楽のコンサートも、静かに聴いているだけですから、問題ないでしょう。中止になって損害を被っている主催者や演奏家は気の毒です。
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