【新型コロナ】栃木県茂木町が小中学校の臨時休校を撤回した“これだけの理由”
安倍晋三首相の要請を受けて、全国の小中高校は臨時休校を実施。約99%の小学校、中学校、高校が休校中だ。そんな中、3月3日、休校を撤回したのが栃木県の茂木町である。2月28日の時点では3月10日から3月24日まで臨時休校を決めていたが、小中学校の休校を中止すると方針を変えたのだ。一体、何があったのか。
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茂木町は、栃木県の南東部に位置する人口1万1896人(2020年3月1日現在)の山間の町である。那珂川が流れ、鮭の名産として知られる。また、世界的に有名なサーキット「ツインリンクもてぎ」があり、2014年には、同じくサーキットのある米インディアナ州スピードウェイタウンと姉妹都市提携協定を締結した。
茂木町の担当者は、休校中止を決めた事情をこう説明する。
「安倍首相の要請を受け、2月28日に臨時休校を決定しました。茂木町にある4つの小学校と1つの中学校の卒業式は3月9日、町内に1つだけある県立茂木高校の入試は3月4、5日にありますので、3月10日から休校にすると。ところが、古口達也町長は、28日の夜から3月1日にかけて、児童の保護者や事業主など地元の人たちと情報交換を行ったところ、休校しないほうが良いと考えるようになったのです。これは決して、政府のやり方に対して反旗を翻そうとしたわけではありません」
安倍首相は、学童保育や保育所、幼稚園は通常通り運営するよう要請している。
「茂木町としては学童保育を開くのであれば、学校は休校しないほうがいいと考えました。と言いますのは、茂木町は他の町と違って、4つの小学校の中に、学童保育室が併設してあるからです。小学校の学童保育は、社会福祉協議会が運用し、児童を指導する先生も派遣しています。もし、学校が休校になれば、学童保育の需要は増えるでしょう。そうなると、狭い教室に児童が集まることになり、かえって感染の危険が増えるのではないかと判断したわけです」
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