世界遺産「醍醐寺」で骨肉裁判 チャイナマネーも絡む不動産

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実の息子を提訴

 加えて、一昨年末には品川寺が副住職を訴える事態に。寺の敷地内にある家屋からの退去や、“副住職”の肩書の使用を禁じることなどを求めている。

「管長と住職は京都にいることが多く、品川寺を仕切っているのは副住職。檀家としても気心の知れた副住職に家族を送ってもらいたいのですが」(別の檀家)

 骨肉の争いについて当の管長に見解を求めると、

「次男と裁判になっているのは事実ですが、それは帳簿を勝手に持ち出したから。刑事告訴もできましたが、息子を刑事被告人にするのは忍びなかったので民事訴訟にしたのです。また、1億6千万円は醍醐派として然るべき手続きを踏んで借りています。その後、あの不動産を知人から貰い受けて、私の京都の住まいにしていた。いまは中国から来日したチベット仏教の修行者が使っていて、彼の通訳が代表を務める会社に8千万円で譲りました。売却益で儲けたわけでもないし、一部の檀家が騒いでいるだけで、不適切な会計など存在しませんよ」

 ちなみに副住職は、

「係争中につきコメントは差し控えさせてください」

 煩悩を断つ悟りの境地はどこへやら。裁判の末に「我勝てり」と叫んでも、檀家から漏れるのは嘆息だけだろう。

週刊新潮 2020年3月12日号掲載

ワイド特集「我勝てり」より

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