ゾマホンD.C.ルフィンさんが日本で見つけた飲食店 美味しいNIPPON

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 好きな飲食店や好物の話を聞けば、その人の人となりが解るというもの。ゆえに「名は体を表す」ならぬ、「食は体を表す」なのである 。この企画では、外国籍の著名人の方々にご登場頂き、行きつけのお店をご紹介してもらいます! 意外なお店のチョイスに驚くこと必至! 彼らの食に対する感性と経験が垣間見えちゃうんです。第31回は、ゾマホンD.C.ルフィンさん。今回は「焼肉 貴闘炎」に伺いました!!

 討論バラエティ番組「ここがヘンだよ日本人」に出演し、ユニークなキャラクターでお茶の間の人気者となったゾマホンさん。“現金が入ればすぐ来てしまう”というほどお気に入りなのが、八丁堀の焼肉屋「貴闘炎」である。

「もともとお肉は大好き。焼肉といえばまちがいなく佐賀牛。ここの佐賀牛は最高ですよ」

 と、のっけから過剰な“佐賀牛愛”をさらけだす。母国は西アフリカのベナン共和国。なぜそんなに佐賀にこだわるの?

「私はベナンに学校を作る事業をやっていますが、協力してくれる人に佐賀出身者が多いから、そのお礼ですよ」

 情に厚いですね。このへんで乾杯といきましょう。ビールでいいですか?

「私は赤ワイン。ベナンは1960年までフランスの植民地でした。生活に余裕のある人は昼から赤ワイン、ビールは余裕のない人ですよ。これが入ると仕事がよくできる。それでは、オカー!」

 ベナンの言葉で乾杯し、一口すする。そして、

「赤ワインが好きなのは、親分、ビートたけしの影響もありますね」

 と打ち明けるのだった。

 ゾマホンさんが来日したのは1994年のこと。ベナンの学校で習った日本像は、“刀を差したチョンマゲ頭”だったが、やがて地下資源もなく、地震などの災害が多いにもかかわらず、先進国になっていると知り、“どうして?”と疑問を抱いたのがきっかけだという。

「午前中は日本語学校、午後は夜中まで三つのアルバイトを掛け持ちという生活でしたが、ちょうど4年経った日、高円寺の中華料理屋でスカウトされた。『ここがヘンだよ日本人』に出ないかって。1回出たら1万5千円! もうとびつきましたね」

 その後はタレントとしてだけでなく、日本とベナンの架け橋たるべく、NPO法人を設立し、2012年から約4年間、駐日ベナン大使を務めるなど、奔走の日々を送っている――。と、ああ、話に熱中するあまり、せっかくのお肉が焦げてますよ。

「大丈夫大丈夫。よく焼いて食べると会長にも大臣にもなれます」

 そう言ってタン、赤身ステーキ、ヒレ、特上ロースなどの極上肉をペロリ。おや、タレにワサビをこれでもかと溶いている……。やっぱり、どこかヘンかも、ゾマホンさん。

週刊新潮 2020年3月12日号掲載

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