【新型コロナ】R-1ぐらんぷりでわかった芸人が“無観客”で演じる難しさ
無観客は「死刑宣告」の声も
新型コロナウイルス問題が、とうとうお笑いの世界にも飛び火した。3月8日、フジテレビは「R-1ぐらんぷり2020」(関西テレビ共同制作・19:00)を放送したが、視聴率は7・1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)と期待を大きく裏切った。
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R-1はピン芸人のコンクール。2002年に第1回が開かれ、今年は18回目の大会だった。
敗者復活を入れて合計12人のピン芸人が出演し、テレビカメラの前で芸を競った。審査の結果、お笑いコンビ「マヂカルラブリー」でボケを担当する野田クリスタル(33)が優勝に輝いた。
多くのメディアが野田の栄冠を報じ、少なくともニュースの世界では盛り上がっている。ところが視聴率は低調に終わり、SNSでも番組に対する不満の声が目立っているのだ。
ツイッターを閲覧すると、中には《R-1がつまらないのはいつもの事だろ!》という醒めた意見もあるにはある。
だが、《今年はレベルが低い》との感想が圧倒的なようだ。(註:引用時はデイリー新潮の表記法に合わせたり、改行などを省略したりした、以下同)
《全体的にレベルが低い気がしたなー 昔の方がもっと面白かったぜ》
《今年はなんかレベルが低い》
《うわー、今年レベル低い》
過去の視聴率を振り返ってみても、「今年はレベル低い説」に信憑性があるようだ。表にまとめてみたので、ご覧いただこう。特に3回から前回17回までの平均視聴率、関東10・2%、関西14・1%と比較してほしい。
ちなみに第1回と2回は関西ローカルの番組として放送されたため、視聴率は割愛した。【1】の表は第3回から10回までをまとめたが、8回のうち関東地区では4回が2桁を達成している。関西地区にいたっては7回だ。
【2】の表は11回から18回までの8回をまとめたが、そのうち関東地区では3回で2桁の視聴率を達成。関西地区は安定した人気を誇り、不評の18回でさえ2桁を達成した。
しかし関東地区でも、昨年までならR-1の視聴率は決して低くない。昨年の17回は9・3%と、2桁にあと一歩まで迫っている。全国の視聴者は、ずっとR-1を「面白い」と歓迎していたのだが、今年は何かの異変が起きたと考えるべきだろう。
となると、どうしても「今年のR-1が特につまらなかったから、視聴率が急落した」と分析したくなるのだが、これに異論を唱える関係者がいる。
フジテレビのライバルにあたる民放キー局で、バラエティ番組の制作に携わる男性スタッフだ。本来ならフジの“敵失”を喜んでもおかしくない立場なのだが、彼は同情を隠さない。
「無観客でのライブという、通常ではあり得ない放送が低視聴率の原因だったと見て間違いないと思います。お笑い芸人にとって無観客収録は、死刑宣告に等しかったでしょう」
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