「座頭市」はいかにして勝新太郎の“代表曲”となったか 作曲家に出した注文とは
湯浅学「役者の唄」――勝新太郎(5)
音楽評論家の湯浅学氏が、勝新太郎の「唄」に迫る。役者としての代表作が「座頭市」ならば、代表曲もまた「座頭市」。ただし、そこは破天荒で知られたカツシンである。異例のレコーディングで録られたこの楽曲をきっかけに、“歌うスター”の看板をモノにしていく。
勝新太郎の代表曲といえば、ほとんどの人が「座頭市」と答えるだろう。
この曲は映画の挿入歌ではない。座頭市をモデルにした“イメージ・ソング”である。リリースは1967年8月。大映が自社レーベル=大映レコードを立ち上げた、その第1弾だった。...